ふぐの季節がやってきました!山口県でこの度『ふぐ』を絡めた、新たな観光プロモーションが始動したんです。

キャッチフレーズは『おいでませふくの国、山口』。山口県を幸福に満ちた“ふくの国”として、アピールしていくというものです。

実際、ふぐは山口県の県魚に指定されており、県内ではトラフグをはじめ、マフグ、シロサバフグなど様々な種類のふぐが食べられています。ところで、山口県と言えばふぐ・・・他県の人もそう思っているのでしょうか?

東京で街頭インタビュー・山口県と言えば、何でしょう?
「ふぐって山口でしたっけ?昔から歴史とか地理とかの授業で有名で。」
「ふぐ。旅番組とか見ると、たまに山口ってそういうの出てくるから」
「ふぐが教科書に出ていたなと」

確かに、自他ともに認める「ふくの国」とは言えそうです。では、なぜ、山口県と言えばふぐなのか・・・?皆さん、本当にご存知ですか?

県内街頭インタビュー
「なんでだろう?よくとれるから?」
「水揚げ量が日本で一番なのかなって勝手に思っていますけど」

この人たちも・・・

よしもと山口県すみます芸人 山口ふく太郎・ふく子さん
「あっ!私ね、釣り好きなんですよ。釣りよく行くんですよ。だいたいふぐ釣れます。(答え:ふく子がよくふぐを釣るから)」

調査の結果、およそ半数の人が知らないとのこと。う~ん、意外とご存知ない方、多いようですねぇ。。。

正解は・・・ふぐの取扱量

下関市にある南風泊市場は、国内唯一のふぐ専門市場。ここに日本各地で水揚げされたふぐが集まるんです。農林水産省によるとふぐの漁獲量日本一は北海道で、山口県は7位でした。これには、県民もちょっと驚き。ですがご安心を。

「ふくの国」たるゆえんは他にもあるんです。

向かったのは、下関市にある創業140年以上の老舗旅館・春帆楼(しゅんぱんろう)。

(Q.こちらが、山口県が「ふくの国」である由来の場所になっていると
聞いたのですが)

春帆楼 支配人 橋本恒さん
「こちらがですね、ふく料理の公許第一号店として、初めてふぐ料理を解禁した店であるということでございます」

ふぐ毒で死ぬ人続出!秀吉の禁止令 解禁を働きかけたのは伊藤博文公

ふぐが食べられていた歴史は古く、なんと縄文時代から。しかし、その猛毒からふぐを食べて死ぬ人が続出。1592年には、豊臣秀吉が「この魚食うべからず」と「河豚食禁止令」を出すほどでした。

ふぐ食は明治時代になっても禁止されており、法律でも「河豚食ふ者は拘置科料に処す」と定められていました。

状況が大きく動いたのは、1887年(明治20年)。

橋本支配人
「明治20年に、伊藤博文公がこちらに食事に来られた時にたまたま当時、海が時化っていまして、ほかに出すお魚がなかったものですから、仕方なく当時ご禁制であったふぐを打ち首覚悟で女将が伊藤博文公にお出ししたところ、こういうおいしいお魚は、禁制にしておくのはもったいないということで・・・」

伊藤博文が今でいう山口県知事に働きかけ、翌年ふぐ食を解禁させました。これをきっかけに刺身、鍋、唐揚げなど、様々な料理へと姿を変えふぐ食文化は全国へと広がっていったんです。

橋本支配人
「他の魚とは違い、たんぱくな魚でもありますので、お客様には、たくさんお越しいただいて、ふぐの味を知っていただきたいなと思っております。」

不遇の時代からふぐの時代へ。近代日本の始まりとなったこの地で、ふぐは名声と、人々の胃袋をしっかりとつかんだようです。

「なぜ山口県と言えばふぐ」なのか理由はわかったところで、ここからがはじっこニュースです。ふぐのこと、あれこれ ふくらませてみました。まず、こちらです。

Q.ふぐ刺し 1口で何枚食べますか?

実際のところどうなのか?mixのLINEアンケートで聞いてみたところ・・・
最も多かったのは、「2~4枚」、次いで「1枚」、「5~6枚」という結果でした。それ以上という方が7人。理由もちゃんとあるようです。

最も多かった2~4枚と答えた方は
・1枚だと物足りない
・ネギを巻きやすい・食感を楽しめるのがこの枚数
 という意見が多く見られました。

続いて、5~6枚と答えた方は
・1度に箸ですくえるのが、この枚数
・山口県民の義務  なんて声もありました。

そして、それ以上と答えた方は
・とにかくたくさん頬張りたい から。
一方で、1枚と答えた方は「もったいないから」という回答が多く見られました。

その他、基本自分で食べる時は1枚 ごちそうになる時は2〜3枚 なんて声もありました。

ちなみに、春帆楼の橋本さんはこうでした。

嬉しいときは4~5枚、悲しいときは1枚。気分によって枚数を変えているそうです。

そして、調査していると、こんなこともわかりました。

ふぐ刺し 普通スーパーで売っていない?

県外では非常識?『ふぐ刺し』、いますぐどうしても食べたい!と思ったら、スーパーに行きますよね。我々山口県民にとってはごくごく当たり前のことなんですが、県外出身の方は、山口県のスーパーにふぐ刺しが置いてあって驚いたという人が多いようで、今回の調査でも20人以上の方が驚いたと回答していました。

その他山口県出身で、学生時代を広島で過ごした方は、スーパーにふぐが無くて逆に不思議で、広島の友達に聞いたらスーパーにふぐがあるわけないじゃん!と驚かれたのが衝撃だったという人もいらっしゃいました。

そんなふぐ刺しでもう一つ、はじっこニュースです。ふぐ刺しの盛り付け方にも、いろいろあるんですよ。代表的なのが、こちら!

菊盛り、そして鶴盛りです。
菊の花のように見えることからそう呼ばれている「菊盛り」と、「鶴盛り」は縁起のいい鶴の姿を「フク」で描いているということでいっそうめでたい盛り付けになっています。続いて、こんな盛り付けもありました。

『牡丹盛り』です。こちら、刺身の引き方から違いまして、牡丹の花びらのように、一枚一枚平たく丸くふぐの身を引いていくんだそうです。その分、通常の引き方をした刺身よりも食感とふぐの味をよりしっかりと感じられるんだそうです。さらに、こんなかわいい盛り付けもありましたよ。

『恋盛り』見ての通り、刺身をハート型に盛り付けたもので結婚記念日や銀婚式、金婚式のお祝いですとか、バレンタインデーやホワイトデーの贈り物として注文される方がいるそうです。いずれも、料理人の技が光る盛り付けですね。

今年8月には、県内から国内最年少のふぐ処理師が誕生しましたし、今もなお「山口県と言えばふぐ!」たるゆえんがたくさん生まれています。「おいでませ ふくの国 山口へ!」と胸を張って言えそうですね。

※mixで2023年に紹介した特集から、ゴールデンウイークに家族で楽しんでもらいたい話題をピックアップしました

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