◆訪問販売の相談1万1167件は過去最多、7割が屋根
センターによると、訪問販売のリフォーム工事全般に関するトラブル相談は年々増えており、23年度は1万1167件(前年度比1068件増)と過去最多を更新。このうち「点検商法」など屋根補修工事の相談は7845件(同比1293件増)と7割を占め、3240件だった18年度から2.4倍まで増えた。 屋根工事の点検商法は、「近所で工事を始めるのであいさつに来た」と突然訪問し、「屋根瓦がずれているので無料点検してあげる」「このままでは瓦が落ちて隣家に迷惑がかかる」などとせかして不安をあおり、望まない工事をその場で契約させる手口だ。 センターは増加要因を、在宅者が増えたコロナ禍の影響に加え、近年頻発する台風や地震などで「防災意識が高まる中、その不安に付け込んでいる」と指摘。相談者の7割を60歳以上が占めており、「特に高齢者が狙われ、被害に遭いやすい」と分析した。◆戸建て、不安あおり、追加工事…警視庁も警戒呼びかけ
一方、警視庁にも屋根工事のリフォーム詐欺の相談が数多く寄せられ、昨年に受けた相談は、一昨年の2.5倍に上るという(件数非公表)。屋根工事を巡るリフォーム詐欺の急増について住民(左)に注意を呼びかける警察官=東京都内で
今月26日には、東京都内の住宅街で、警察官が一戸建てを訪問。「最近、飛び込み営業の悪質なリフォーム業者が増えています。気を付けて」などと伝え、新たに作成した注意喚起の防犯ステッカーを配布。70代の主婦は「前も怪しい業者が来た。町内みんなでステッカーを貼り、地域の防犯意識を高めて被害を防ぎたい」と応じた。 警視庁生活安全総務課によると、悪質リフォーム業者の特徴は、(1)地区ごとの営業担当者が手当たり次第に一戸建てを訪問
(2)親切なふりをして不安をあおる
(3)屋根工事の契約後、さらに外壁補修など追加工事を契約させる
(4)ワゴン車ではなく普通乗用車にはしごを積載
など。同課の二宮健課長は「突然訪問を受けても点検させたり契約したりせず、不審なら警察に相談してほしい」と話した。
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