今年の「過労死白書」が公表され、芸能や芸術の分野で働く人は長時間労働やうつなどの疑いのある人が、働く人全体と比べて多いことが明らかになりました。

きょう閣議決定された「過労死白書」によりますと、フルタイムで働く人のうち、去年、週の労働時間が60時間以上の人の割合は2年ぶりに減少し、8.4%となりました。

一方、昨年度、脳や心臓の病気で労災認定されたのは216件で、4年ぶりに200件を超えました。また、うつ病などの精神疾患で労災認定されたのは883件と、集計を始めた1983年以降、最も多くなりました。

厚生労働省は認定件数が増えたことについて、「労働時間は減っているものの、労災の周知が進み、請求件数が増えたため」としています。

また、今回初めて演出家や技術スタッフなど、芸能や芸術の分野で働く488人の男女を対象にアンケート調査が行われました。芸能・芸術分野は医療や建設業などと同じく、長時間労働の多さが指摘されている業種です。

アンケートの結果、芸能・芸術分野で働くスタッフのうち1週間あたりの拘束時間が60時間以上の人の割合は35.2%と、働く人全体と比べ高いことがわかりました。うつや不安障害の疑いがある人の割合も高い傾向にあるということです。

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