石破総理はきょう、内閣不信任案の提出がされる中、衆議院を解散し、事実上の選挙戦をスタートさせました。自民党はいわゆる“裏金議員"12人の非公認を決めるなど、永田町は“異例尽くし”の一日となりました。

自民党 井野俊郎 前衆院議員
「石破内閣不信任決議案は提出者の要求の通り、委員会審査を省略してこれを上程し」

臨時国会最終日に、野党4党により提出された石破内閣に対する不信任決議案。

ただ、この直後、林官房長官が紫のふくさに包まれた「解散詔書」を持ち込むと、額賀衆院議長は…

額賀福志郎 衆院議長
「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する」

不信任案を採決することなく、解散を宣言した額賀議長。ただ、解散時に恒例となっている議員の「バンザイ」は今回はまばら。

異例尽くしの一日は、けさの自民党本部でのいわゆる“裏金議員”12人の非公認決定から始まりました。

石破総理
「全ての同志が勝ち残ることができますように、全身全霊でこの選挙に臨んでまいります」

きょう、自民党で開かれた選挙対策本部会議。いわゆる“裏金議員”の衆院選での公認をめぐり、詰めの協議が行われました。

その結果…

自民党 森山裕 幹事長
「政治資金パーティーをめぐる不記載があった議員等のうち、12名が非公認の扱いとなります」

自民党は重い処分を受け、既に非公認の方針を明らかにしていた西村元経産大臣や萩生田元政調会長ら6人に加え、選挙区情勢などを踏まえ、新たに菅家一前郎衆院議員ら6人の非公認を決めました。

今回の決定に、安倍派議員から戸惑いの声も上がっています。

自民・安倍派 非公認 小田原潔 前衆院議員
「(非公認の)理由は説明を受けていません。選挙が始まるんだから一生懸命戦って、何とか石にかじりついてでも当選して帰ってくる。それだけであります」

自民・安倍派 非公認 細田健一 前衆院議員
「(Q.解散当日の決定というタイミングは)正直、勘弁して欲しいと思いますね。正直、いい加減にしろという気持ちはありますけど」

こうした中、就任後初の党首討論に臨んだ石破総理。野党は「裏金隠し解散だ」などと追及を強めています。

立憲民主党 野田佳彦 代表
「『相当程度、非公認』と総理はおっしゃっていたと思います。『相当程度、非公認』なんでしょうか?公認される人は30人を超えるんじゃないですか?正確な日本語で言うと『相当程度が公認』じゃないですか?もっと正確に言うと『大半が公認』じゃないですか?」
石破総理
「最終的な判断は、主権者たる国民の皆様方にお任せをいたします。しかし私は、これが甘いとかいい加減だと、そのようなことを一切考えておりません」

日本維新の会 馬場伸幸 代表
「この解散、命名するとすれば“猫の目解散”。クルクルクルクルと、リーダーである総理総裁の言うことが変わる解散ではないかなと」
石破総理
「(総裁選の最中から)信を問わねばならないことと、主権者たる国民の皆様方にご判断をいただく、そういう材料を提供してと申し上げました」

党首討論の後、野党4党は「裏金問題、旧統一教会の問題はまだ終わっていない。早期解散は党利党略を優先させたと判断せざるを得ない」などとして、内閣不信任案を提出しました。

立憲民主党 野田佳彦 代表
「裏金隠し解散と感想を申し上げましたが、まさにその通りだったと思います」

攻勢を強める野党ですが、提出された内閣不信任案は既に閣議決定された衆議院の解散が優先されたため、採決は見送られました。

その後の臨時閣議で、衆院選について今月15日公示、27日投開票の日程を決めた石破総理。国民の「納得と共感」を得られるのか。政権選択の選挙に向け、各党が本格的に動き始めています。

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