「芸能人とメールのやりとりをするため」と現金60万円をもって50代女性が、銀行窓口を訪れました。窓口を担当していたのは、これまで4回も特殊詐欺被害を未然に防いだことのあるスーパー銀行員。これは「もしかして…」。スーパー銀行員が見抜いたその手口とは…。
9月13日午前10時ごろ、富山県にある北陸銀行氷見支店に50代の女性が来店。現金60万円を持ち、窓口で振り込みを申し出ました。
応対したのは、これまで4回も特殊詐欺を見破ってきた倉ケ谷麻衣さんです。
そんなスーパー銀行員倉ケ谷さんは、手続きになれていないことや振込内容について説明できない様子を見て、詐欺にあっているのではないかと違和感を感じました。
特殊詐欺被害を防いだ銀行員
倉ケ谷麻衣さん「これは…と思いました」
「芸能人とメールのやりとりをするため…」
倉ケ谷さんが女性に確認すると、振込先は個人名義の口座でした。通常、振込理由などを聞くことはありませんが、個人名義であることを不審に思い、特殊詐欺だと感づいた倉ケ谷さんは、女性に振り込む理由を聞きました。すると…。
「芸能人とメールのやり取りをするため」
女性はそう答えたといいます。
倉ケ谷さんは、ネットで ‟芸能人” ‟メール”などと調べると、芸能人をかたる詐欺被害があることがわかり警察に通報。振り込みをやめるように説得を続けました。
芸能人語る「サクラ詐欺メール」未だ健在
手口を巧妙に変えながら被害を出し続ける
「二人だけで何日も過ごしたい」などとする芸能人の「佐藤健」を名乗る人物からのウソのメッセージを信じ込み、長崎市の40代の女性が現金、約157万円をだまし取られました。
また、タレント黒柳徹子さんを名乗る人物から「生前贈与を受け取って欲しい」というショートメールの内容を信じ込み、秋田県能代市の男性は236万円の現金をだまし取られるなどの被害が相次いでいます。
今回、女性がメールのやり取りをしようとしていたのは「平野レミ」さんを名乗る偽の人物でした。
息子が病気で助けてほしいと言われ…。
占いが好きだという50代の女性。ネットで占いを検索するとある占い師という人物から「平野レミさんの孫は、前世ではあなたの息子でした」という内容のメールが届きました。その後、女性に「平野レミさん」を名乗る人物からメールが届くのです。そのメールにはこうつづられていたそうです。
「息子が病気になり、金銭的な助けが必要」
助けるにはメールのやり取りを続ける必要があり、そのための費用として60万円を振り込まなければいけないとだまされていたのです。
女性は「人の話を信じやすいたちで、こんなことになってしまった」と倉ケ谷さんに感謝したそうです。
実は、倉ケ谷さんが詐欺を食い止めたのは今回だけではなかったのです。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。