シリーズ『衆院選』新潟3区

2022年の“区割り変更”で、新潟県の下越地方とあわせ新潟市の秋葉区と北区で構成される「新・新潟3区」では、5度目の対決に火花を散らす自民党の現職と立憲民主党の元職との間に日本維新の会の新人が加わって、三つどもえの戦いとなる公算が大きくなっています。

9月27日の自民党総裁選会場に姿を現した自民党現職の斎藤洋明衆議院議員(旧新潟3区選出)は、1回目の投票で小林鷹之氏に、2回目の投票では高市早苗氏に投票しました。

石破茂・新総裁誕生の結果を受けて斎藤さんは、「小林さんと若い力で自民党を一緒に改革したいと思っていたので残念」としたうえで…

「外交防衛も大事ですし、国内では経済政策、特に地方を大事にするような政策に、新総裁には力を入れていただきたいと思います」と話していました。

その斎藤さんに挑むのは、立憲民主党の元職・黒岩宇洋さん。
新発田市での決起集会(9月29日)では…

「自民党が変わらなければいけないということを、我々がきちんと正していかなければいけない」と、およそ600人の支援者らが詰めかけて立ち見の人も出た会場で訴えていました。

この2人の対決は、これまでに4度。

2012年は斎藤さんが勝利し、2014年は黒岩さんが勝利。
3度目の対決となった2017年の選挙では、黒岩さんがわずか50票差で勝利!
そして前回2021年では、およそ1万3800票の差で斎藤さんが勝利しています。

次は5度目の対決…

立憲民主党の元職・黒岩宇洋さんの決起集会に駆け付けた、立憲民主党の安住淳衆議院議員は、「最後の戦い」と鼓舞しました。

【安住淳 衆議院議員】
「この故郷で人々の心をつかんでもう一回押し出してやろうというふうになれなかったことは身の不徳だと思います。何かが足りなかったんです。はっきりいいますけど、黒岩宇洋、最後の戦いです。これ負けたら辞めてもらいますから」

村上市や新発田市などの下越地域に新潟市北区の一部が選挙区だった旧3区に、北区の残りのエリアと秋葉区全域がさらに加わった“新3区”。
区割りの変更がどのような影響を及ぼすかが注目されますが、火花を散らす2人にはそれぞれに懸念材料があります。

自民党現職衆議院議員の斎藤洋明さんにとっての懸念材料の一つが、「旧統一教会」の問題です。2022年に旧統一教会側の求めに応じて政策に賛同すると記した文書に署名していたことが明らかになり、選挙では教団側から電話かけなどの支援を受けていました。
加えて今回は、自民党派閥を巡る裏金事件でも逆風を受ける中で迎える選挙となります。

【斎藤洋明さん】
「自民党の信頼が損なわれているということが、一番の問題だと思っています。私自身の説明責任もそうですし、自民党をこう変えていくんだということを、しっかりアピールしていきたいと思います」

一方で、黒岩さんの懸念は野党共闘の行方です。
9月に就任した立憲民主党の野田佳彦新代表は、『共産党と同じ政権は担えない』という考えを示しており、共産党は反発しています。

【共産党新潟県委員会 樋渡士自夫委員長】
「憤りはありますよ。一緒に力を合わせてきた人たちに対する尊敬だとか経緯だとか、そういうのはやっぱり感じられないです」

黒岩さんの決起集会に、共産党関係者の姿はありませんでした。

【黒岩宇洋さん】
「党本部同士でどうするのか。次に県レベル…。でないと新潟3区だけでどうこうってことはないので、今この上が動かないことには、他党とは一切連携はとれない」

5度目の対決となる2人の間に割って入るのは、日本維新の会の新人で、飲食店経営の吉村祐一郎さんです。

2023年には新潟市議選の北区選挙区に出馬した吉村さん。
国政選挙は初挑戦です。

「市議選に去年北区で出たんで、北区で始まって北区で終わる動きになると思う」

東京出身の吉村さんは「知名度が課題」としたうえで、『長年接戦を演じてきた2人以外』の受け皿として、有権者の共感を得たいと意気込んでいます。

「今までの2人は実績ないだろう、今までの2党は私たちのためにやってくれてないだろう、と思う人が反旗を翻すイメージで、維新や吉村に入れてくれると…。それが私の希望で、思いなんですよね」

因縁のライバルと新人との“三つどもえ”が予想される新潟3区。
決戦の火ぶたはまもなく切られます。

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