バレエの日本最高峰・新国立劇場バレエ団に岡山市出身のダンサーが所属しています。廣川みくりさんです。約70人いるメンバーの中で、ソロや主要な役などを演じる「ソリスト」として活躍中です。

今月下旬から始まる公演では、主役の一人に抜擢されました。岡山から単身上京、トップダンサーを目指し練習に励む廣川さんに密着しました。

「自分の生きる道にバレエしかなくて」

指先からつま先まで、優雅でしなやか。

表現力豊かな踊りが目を引きます。

(廣川みくりさん)
「音楽が聞こえるようなバレエを踊ることが、私が心掛けているバレエです」


岡山市出身、28歳の廣川みくりさんです。東京都渋谷区にある新国立劇場バレエ団に所属。

日本最高峰との呼び声が高い、国内唯一の国立劇場付属のバレエ団で、7年間活躍を続けています。

登山家みたいなことを言いますけど、『そこにバレエがあるから』

廣川さんがバレエを始めたのは3歳の時。幼い頃から身体を動かすことが大好きだった廣川さんを見て、母親が勧めたといいます。

(廣川みくりさん)
「小学生の高学年ぐらいの時に、私は『バレエで食べていきたい』ということを偉そうに言ったらしく、なんか登山家みたいなことを言いますけど、『そこにバレエがあるから』」

「なんか自分の道・生きる道にバレエが、最初はバレエしかなくて。学生時代とか1番その吸収できる時に、バレエを1番吸収したので、やっぱりそれを生かせる仕事をしていきたいし、舞台に立ちたい」

「舞台に立って表現する手段が、バレエだった。自分が極めているのがバレエだった」

中学校を卒業後、15歳で上京。プロのダンサーを目指す若者が集まるバレエ団の研修所でしのぎを削り、20歳のとき夢だった新国立劇場バレエ団に入団。華やかなバレエの世界でこれまで必死に踏ん張ってきました。

ショックを受けても隠そうとして笑っている「ガラスのハート」

(廣川みくりさん)
「舞台で失敗しちゃった次の日のクラスで、へっちゃらな顔をして、クラスしているのを先生が見て、『あ、この子は失敗やショックを受けないタイプの子なんだ』と思ったらしく」

「でも実はものすごくショックを受けていて、それを隠そうとして笑っている。弱いというかガラスのハートなんです」

がむらしゃらに走り続けた日々でした。そして入団7年目の去年。廣川さんはついにソロや主要な役を演じることができる階級「ソリスト」への昇格を果たしたのです。

プレッシャーもあります。そんな廣川さんがほっと一息つけるのが昼食の時間です。

(廣川みくりさん)
「朝起きてサンドウィッチ作っています。結構料理します。週のはじめ、日曜日の時間がある時とかに作り置きして、全部冷蔵庫に入れて、それを毎日ちょっとずつ食べるとか」

体調管理のため、日々の食事は自炊が基本。中でも、廣川さんのパワーの源は…。

「岡山に帰省のときは、お隣さんから桃をいただいて食べる」

(廣川みくりさん)
「フルーツ系は全般大好きで、帰省した時に岡山と言えば“白桃”。すごく美味しいんですよね。お隣さんから桃をいただいて食べるみたいなことがすごく多くて。岡山という場所が、私にとって憩いの場というか」

その地元・岡山で今年8月、嬉しい出来事がありました。

(会場アナウンス)
「主演デビューを果たされました、廣川みくり様」

芸術・文化活動で優れた実績を収めた人に贈られる岡山芸術文化賞で、グランプリに輝いたのです。女性バレエダンサーでは初の受賞です。

(廣川みくりさん)
「舞台とは違う緊張で、舞台は緊張するんですけど、私の場合はワクワクというか楽しみな気持ちが勝っていて、きょうは本当に緊張しました」

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