水の都、島根県松江市で問題になっているのが、外来生物の増加です。
市内の寺では池のハスに、アメリカザリガニによる被害が出ているということで、あのグループが出動しました。

松江藩松平家の菩提寺、月照寺。

まつえワニの会・小草一政副代表
(Qこれは何を捕まえる罠なんですか?)
「これはね、基本的にはカメ。カメは雑食性。臭いがきついが。臭いにやっぱ寄って入って来るんですよ。だけどザリガニも入ります。いれば。」

ミドリガメこと外来生物のアカミミガメの駆除に取り組む「まつえワニの会」です。
アメリカでのアカミミガメの天敵がワニであることが会の名前の由来です。
宍道湖七珍のシジミも好物という、アカミミガメを県の委託を受け駆除しているいわばカメバスターズ。
今回は寺の住職の求めで、初めて境内の池に罠を仕掛けました。

同じく外来生物であるアメリカザリガニがハスの根を切って傷めるため、「駆除して欲しい」との依頼で、同じ罠でザリガニも捕まえられるといいます。

まつえワニの会・小草一政副代表
「アメリカザリガニもアカミミガメと同じでね、特定外来種だけんね。問題児だけん。ザリガニも。今年の夏は特に暑かったから。増えてると思います。」

魚のアラを仕込んだ円錐形のものは、いったん入ると出られない罠網です。

まつえワニの会・小草一政副代表
「よいしょ。OK、OK!」

この日は、池に3つの罠網を投入。
するとたちまち水面から出ている餌の尻尾が動き始めました。
さらにカメの頭も見えます。

まつえワニの会・遠藤修一代表
「あれえ、本当だ。すごい食っとう。カメだ。あした楽しみだねえ。」

月照寺と言えば、小泉八雲の随筆に、夜な夜な町を徘徊して人を食べたという伝承が残る巨大な亀の石像が有名ですが、やはりカメは多いのか?
翌朝、罠網を引き揚げると・・・。

まつえワニの会・小草一政副代表
「わっ。わっ。もう(餌には)身がいっぱい付いちょったに。」

ごろごろと音を立てる罠網には沢山のカメが。

まつえワニの会・小草一政副代表
「天敵がおらんけんね(大きく育つ)。30年は(池に)おったんでしょう。誰かが放したんでしょう。」

アカミミガメがほとんどですが、在来種のイシガメも見られます。
県の自然保護レンジャーは。

島根県自然保護レンジャー・小林浩司さん
小林)(アカミミガメは)一度に卵16個位産むので。
小草)(年)2回位、産むんだよね。
小林)いや3、4回です。
小草)3、4回?
記者)一年間にですか?
小草)だけん、減らんはずだわね。
小林)このイシガメは年に2回位卵を産んで、(一度に)大体8個位。卵の産む数も(アカミミガメとは)全然違いますよね。

在来種のイシガメは放し、次の罠網へ。

小草)オール、クサガメだわ。
遠藤)すげーな、しかし。こんな狭い所で、よう、こう取れるわ。
小林)まあ30年位、生きてるのかな。小草)30年位?ほんなら(アカミミガメより小さいのは)成長が遅いんだね。
小林)成長が遅いです。

アカミミガメは産卵数の多さ、成長の速さから、ほかのカメを圧倒してしまうといいます。
さらに驚きの事実も。

島根県自然保護レンジャー・小林浩司さん
「この(カメ)右の手がないですよね。これ多分、アライグマに噛まれて手がなくなっちゃってる。島根県では大田の方で確認されてて、やっぱ出雲市にも入って来てるみたいで。」

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