改正道路交通法が2023年4月1日から施行され、すべての自転車利用者はヘルメットの着用が努力義務とされました。

警察庁の発表によると、山梨県内の着用率は27.9%で全国9位でした。
(全国ランキングは記事の最後に掲載)

1位は愛媛県の69.3%で、2位の大分県の48.3%を大きく上回る着用率です。

愛媛県のヘルメットの着用率は、なぜこんなに高いのでしょうか。

愛媛県警が調査したヘルメットの県内着用率をみると、初調査の2015年2月は13.3%と低い着用率でした。
しかし、翌年の4月には58.6%と45.3ポイントも上昇。

その後も徐々に着用率は上がり、最新の2024年の調査では75.8%まで上昇しました。

【愛媛県独自調査による自転車利用者のヘルメット着用率】
(提供:愛媛県警)
2015年 2月 13.3%(初調査)
2016年 4月 58.6%
2017年 4月 66.8%
2018年 4月 70.8%
2019年 4月 69.1%
2020年 4月 75.7%
2021年 4月 73.2%
2022年 4月 76.2%
2023年 4月 78.1%
2024年 4月 75.8%

2015年から2016年にかけて大きくヘルメット着用率が上昇した要因を愛媛県にきいてみると、そこには高校生の存在があるといいます。

愛媛県では2015年から、すべての県立高校の校則で自転車通学時にヘルメットの着用を義務化させました。

その校則を守ってもらうため、県の教育委員会や教育振興会などは、実際に着用する高校生に好みの色や形など希望を聞いたうえで購入したヘルメットを全生徒に無償配布。
そのあとの2年間は、希望する新入生に対してヘルメットの購入費用3分の1(上限1000円)を補助しました。

実際に生徒に配布されたヘルメットを着用したポスター

そして2017年には県内の私立高校も含めたすべての高校でヘルメットの着用が義務化されました。

こうした取り組みの成果もあり、高校生のヘルメット着用率は2015年の調査開始時には0.6%だったのが、2017年には96.6%まで上昇したのです。

そもそも高校生のヘルメット着用率を上げようと県が動いたきっかけは、2014年に立て続けに2件起きた高校生の死亡事故でした。

愛媛県によりますと、いずれも通学中の車との衝突事故で、2人ともヘルメットは着用していなかったということです。

悲惨な事故がきっかけで動き出した愛媛県の高校生のヘルメット着用義務化。

ヘルメットの無償配布や購入補助は2018年からは行っていませんが、それ以降も高校生のヘルメット着用率は毎年90%台後半で推移し、最新の2024年4月の調査では98.1%でした。

県では高校生たちにヘルメットの着用が習慣化したためとみています。

愛媛県では県内のヘルメット着用率をさらに上げるため、今後は高齢者など大人の着用率を上げることを目標にしています。

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