一時は“猛烈な勢力”台風18号 台湾周辺に長く停滞して熱帯低気圧に

4日9時、気象庁は台風18号が台湾付近で熱帯低気圧に変わったと発表しました。一時は“猛烈な勢力”まで発達した台風18号ですが、ここ数日間は台湾周辺で動きが非常にゆっくりとなり、台湾に接近・上陸後は急速に勢力が弱くなりました。

台風のエネルギー源は海からの潜熱ですが、動きが遅く同じような海域にいたことで海がかきまぜられたことで、潜熱の供給が少なくなっていましたが、さらに台湾に上陸後は地形の影響も大きく受けて急速に弱まりました。

台湾は九州とほぼ同じ面積があり、プレート境界に位置して南北に標高の高い山脈が走っています。

最も高い山は富士山よりも標高が高く4,000メートルに迫ります。上陸前に非常に強い勢力であっても、動きが非常にゆっくりで長い時間にわたって台湾付近にとどまっていると、エネルギーの供給が少なくなる上に、地形の摩擦の影響や高い山脈の存在で上空の風のバランスを大きく崩されるなどするため、急速に勢力は衰えました。

次の“台風の卵”に?日本の南の海上で新たな熱帯低気圧発生の予想も

一方、日本の南の海上に目を向けると、まだいくつか雲がまとまっているエリアがあります。

このうちマリアナ諸島の東の海上にある雲のまとまりについて、5日夜の予想天気図では熱帯低気圧となると予想されています。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)

アメリカ海洋大気庁はアンサンブル予報の結果について発表しています。「アンサンブル予報」は、数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。

マリアナ諸島付近の雲域について「99W」としてアンサンブル予想結果を公表しています。現時点の予想では北上する予想ですが、日本列島に接近する可能性を示すデータはありません。

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)

ヨーロッパ中期予報センターでは、予想時刻までの48時間以内に、風速17m/s以上の熱帯低気圧が300km以内のエリアに入る確率を示した予想データを発表しています。その結果を見てみましょう。

9日(水)夜の確率をみると、マリアナ諸島の東の海上に、やや確率の高くなっているエリアが現れます。

13日(日)夜の予想では確率がやや高くなっているエリアが日本の東の海上へと北上しています。アメリカ海洋大気庁の予想と同様に日本の東の海上を北上する可能性を示しています。

※台風の最新情報については気象庁発表する台風情報をご確認ください。

10月はまだ台風シーズン 平均3個以上発生して 日本列島に接近も

平年の値でみると、台風シーズンのピークは8月から9月ですが、10月でも発生個数は7月と同じくらいの個数があります。10月の平均発生個数は3.4個で、日本列島に接近する個数は1.7個となっています。

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