ロシアがウクライナに侵攻して2年半あまりが経過しますが、依然として解決の糸口は見えていません。こうした中、ウクライナの駐日大使が富山を訪れチューリップテレビの取材に応じました。大使が語ったウクライナの現状とは…。

駐日ウクライナ特命全権大使
セルギー・コルスンスキーさん「ウクライナも数万人の兵士たちと民間人の命が犠牲となりました。そのほかにも数十万程度の住宅が破壊され多くの町や村が完全に破壊されて、その中で病院や美術館、エネルギー施設が破壊されています。その破壊が毎日のように続いています」

9月26日、富山大学を訪れたのは駐日ウクライナ特命全権大使のセルギー・コルスンスキーさんです。

大使が富山大学を訪れた目的は、この戦争の本当の悲惨さについて、より学生たちに考えてもらうためです。

おととし2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻して約2年半…。各地で続く戦闘は収まる気配がありません。

10月2日はウクライナ軍が東部の防衛拠点からの撤退を表明、ロシア軍がこれに乗じ攻勢を強める構えとみられますが、一進一退の攻防は今後も続くとみられています。

戦争の長期化にともない、民間人の被害も相次いでいます。

9月28日、ウクライナ北東部で医療施設がロシア軍による攻撃を受け、患者や医療スタッフなど9人が死亡、12人が負傷しました。

さらにロシア兵による戦争犯罪もあるといいます。

駐日ウクライナ特命全権大使
セルギー・コルスンスキーさん
「実は、ロシア兵士によるウクライナ人に対しての戦争犯罪が、すでに犯人の名前や所属先、すべての証拠が残っているだけでも14万件あり、ウクライナの検事総長が捜査しています。書類がすべてまとまっているのが14万件で、ほかにもたくさんあるのです」

大使はこの日、富山大学の国際的な時事問題についての講義の一環として、学生を前に講演しました。

講演では、戦火にさらされる前の美しい街並みの写真を紹介。続いてロシアの侵攻で跡形もなく破壊された写真を見せ、ウクライナで起きている戦争の悲惨さを語りました。

大使は、今回の侵攻はロシアとウクライナだけの問題ではなく民主主義の国全体の脅威であるとし、今回の侵攻を自分ごととして、とらえてほしいと話します。

駐日ウクライナ特命全権大使
セルギー・コルスンスキーさん
「北朝鮮も中国も挑発行為を行うようになりました。例えば、この間、日本の上空への違反突入などがありました。このように、ロシアも含めて危ない国々に影響できるのはウクライナがロシアに勝つ場合のみです。ですからみなさまにご協力をいただいた上でウクライナが必ず勝ちます」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。