コロナの影響で休止になっていた地域主体の交通サービスが再開します。事前の電話予約で配車可能な「乗り合いタクシー」の試験運行が広島市で始まりました。

広島市南区・黄金山地区を走る地域乗り合いタクシー「こがね」です。「こがね」は決められた時刻とルートで走る従来の乗り合いタクシーと違い、利用者が電話で配車を予約する「デマンド型」のサービスです。利用者からの予約内容は車内のタブレット端末に表示されます。

タクシードライバー
「配車がありました。黄金山の自宅からユアーズへ。出発します」

「こがね」は利用者の自宅と地区内のスーパーや病院など8か所の地点で乗り降りできます。黄金山地区は細い坂道が多く、交通手段に困っている高齢者などへの支援が課題となっています。

利用客
Q、今からどこに行く?「ユアーズへ買い物に行く」
Q、いつもはどうやって行く?「ほとんど歩き。重い荷物がある時は便利」

乗り合いタクシーの車内は地域の顔なじみ同士ならではの雰囲気です。

車内の会話
女性「俳優の誰かに似とったインタビューしとった人。顔は知っとんじゃけどね名前が出てこん(笑)」
運転手「今すれ違ったのは知り合いですか?」
男性「うん。ハハハ」

黄金山地区では過去にも乗り合いタクシーを実施していましたが、コロナ禍による利用者減少などによって去年4月から運行を休止していました。「こがね」の運賃は1回の乗車につき400円で、運行で生じた赤字額は国と市が75%を負担し、残りを地元で負担します。

車内の会話
運転手「便利になりますね『こがねタクシー』で。また電話してください月・水・金いつでも迎えに来ますので」

目的地のスーパーに到着しました。

そしておよそ30分後、買い物を終えた利用客を「こがね」が迎えに来ます。

利用客
「水を買ったんでお願いします。重いものを買ったときはいい」

別の利用客
「また利用したい」

地元の社会福祉協議会は乗り合いタクシーのサービス再開について、周知していきたいと話します。

黄金山地区社会福祉協議会 副会長
「運転免許を返納して交通手段がなく大変だと思う。電話で申し込むことに慣れて利用してもらいサービスを継続していきたい」

乗り合いタクシー「こがね」は25年4月からの本格運行を目指しています。

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