全国で90人しかない海上保安庁の機動救難士。海上のけが人や遭難者の救助する精鋭たちで、「空飛ぶ海猿」とも呼ばれています。

機動救難士を目指す29歳の海上保安官が今、100キロの道のりを歩く訓練に挑んでいます。

3日正午、100キロ先のゴールを目指し、指宿市を出発した、田中貫太さん(29)です。海上保安官になって今年11年目。機動救難士の夢を叶えるための試練が始まりました。

(田中貫太さん)「ヘリにのって迅速な救難活動がしたい」

機動救難士は、船舶でのけが人や海上の遭難者を、ヘリコプターを使って救助します。全国およそ1万4500人の海上保安官の中で、機動救難士は90人だけで、海難救助の精鋭たちです。

この機動救難士になる上で、最終課題がとなるのが、指宿から100キロ先にある霧島市の鹿児島航空基地まで24時間以内に自分の足でたどり着くことです。

(田中貫太さん)「走るのが好きで休みの日も走っているので、日中は大丈夫かな」

言葉通り滑り出しは順調でしたが、起伏のある道に、苦しそうな表情も…。

(田中貫太さん)「もうすぐ第一子が産まれるので、子どもや家族のことを考えながら走りたい」

実は田中さん、第一子が来月に誕生予定で、出産を控えた妻の遥さんも応援に駆けつけています。

(遥さん)「足が動く?」
(貫太さん)「動くけどまだ先長いから」

(妻・遥さん)「けがとか事故なく無事に時間内にゴールできるようにがんばってと」

(田中貫太さん)「家族のサポートがあって活動できる。それを踏まえ人命の救助に携わってきけたら」

4日昼までのゴールを目指して。田中さんの機動救難士への道のりは、この時間も続いています。

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