持続可能な保護司制度の確立に向けた有識者検討会の倉吉敬座長(中央左)から最終報告書を受け取る牧原法相。右端は全国保護司連盟の谷垣禎一理事長=3日午後、法務省

 刑務所出所者らの社会復帰を支える保護司のなり手不足を解消し、持続可能な制度の確立を目指して法務省が設置した有識者検討会が3日、最終報告書を牧原秀樹法相に提出した。大津市の保護司殺害事件を受け、保護観察対象者との面接時の安全対策強化を提言。複数人での対応や観察官の同席などを盛り込んだ。法務省は早ければ来年の通常国会に保護司法などの改正案を提出する。  保護司は深刻な高齢化と担い手不足に陥っている。報告書は、保護司の人脈に頼ることが多かった人材登用について、公募制を試行するよう求めた。  安全確保策として挙げられたのは、自宅以外の面接場所の充実や、保護観察所との連絡態勢の強化など。活動をサポートする保護観察官の関与の強化も明記した。保護司の担当する案件の定期的な点検や、状況に応じてオンラインで面接に同席できるようデジタル技術の活用も提示した。  保護司の家族が抱える不安を軽減させるため、保護観察所や保護司会が活動について丁寧に説明し、家族同士が意見交換できるような場を設けることも必要だとした。


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