9月末から、明け方の東の空に「紫金山(ツチンシャン)・アトラス彗星」という彗星が見えています。彗星とは、太陽系の天体の仲間で、直径数キロほどの氷やチリでできた「核」から、チリやプラズマでできた「尾」が伸びるのが特徴です。紫金山・アトラス彗星は、肉眼では条件の良い空で見えるかどうかといった明るさですが、望遠鏡などを使って撮影した写真が宮城県内の天文ファンから寄せられていますのでご紹介します。いずれの写真も右上に向かって伸びるはっきりとした尾がとらえられています。
私も10月1日、2日と2日連続で一眼レフカメラを用いて撮影することができました。
星野気象予報士が撮影した彗星は…
このあと10日間程度は、彗星は太陽と同じ方向にあるため、観察することは難しい状況です。10月13日ごろからは太陽は夕方の西の空に移り、仙台市天文台によりますと、はじめは2等くらいの明るさで見えるということです。
ただ、2等というのは普通の恒星であれば都会でも見える明るさですが、彗星というのはぼんやりとした光の天体のため、2等であっても肉眼ではっきり見るのは難しいようです。また、夕方の明るさが残る空に見えるため、観察には双眼鏡や望遠鏡が適しているということです。その後、彗星は夕方の西の空で次第に高度を上げていきますが、太陽から離れていくため明るさは次第に暗くなってゆきます。
こうした中、10月末に、また別のさらに明るい彗星が見られる可能性が出てきました。
「クロイツ群」彗星が接近!?
つい先日発見されたばかりの、太陽にかなり近づく性質を持つ『クロイツ群』と呼ばれる彗星の一つで、正式名称がCOMET C/2024 S1 (ATLAS) アトラス彗星と決まりました。彗星に詳しい日本大学の阿部新助准教授は、tbcの取材に対し「条件次第では10月末から11月はじめに、金星(マイナス4等)より明るくなる可能性もある」としています。
阿部准教授は、1965年にやってきてマイナス10等級ほどの大彗星となった「池谷・関彗星」と、今回の彗星が同じような性質を持つとみられることから、かなり明るくなる予測をしているということです。この彗星は南半球の方が観測条件は良く、北半球では限られた期間ではあるものの、明け方の東の低空に見える可能性があります。彗星の明るさの予測は非常に難しく、実際に近づいてこないと確かなことは分かりませんが、天文ファンにとっては楽しみな1か月になりそうです。
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