埼玉や東京で相次いでいる緊縛強盗事件。専門家によると、犯行の手口から素人のような粗さや凶暴さが見えてくるといいます。

元刑事「捕まるリスクを考えていない素人の手口」

齋藤慎太郎キャスター:
東京・埼玉で起きた連続強盗事件は、非常に近いエリアで3件発生しています。

9月28日午前3時前 東京・練馬区
9月30日午前4時ごろ 東京・国分寺市
10月1日午前2時ごろ 埼玉・所沢市

共通点は「ガラスを割って侵入」「未明の犯行である」ということが挙げられます。

特に、東京・国分寺市(9月30日)と埼玉・所沢市(10月1日)の犯行の手口には共通点があります。

・粘着テープで住人を縛る
・現場近くに“同じ車”

いずれも福岡県の「筑豊ナンバー」の車が停車

また、「音を立てて侵入」「見つかったら暴行」という点も共通しています。

元埼玉県警捜査一課 刑事の佐々木成三さんは「金品を奪うことだけを優先して捕まるリスクを考えていない素人の犯行手口“トクリュウ”の犯行ではないか」としています。

匿名・流動型犯罪グループ=“トクリュウ” どんな組織?

“トクリュウ”とは、名・動型犯罪グループのことを指し、首謀者・指示役・実行役で構成されています。

SNSなどで仲間を募集し、中枢部分が「匿名化」されています。
指示役と実行役の繋がりも薄ければ、実行役同士の繋がりも希薄ということが特徴として挙げられます。

さらに、実行役を募集・解散し「流動性」が高く、全容解明が困難な組織になっているということが挙げられます。

ホラン千秋キャスター:
特に寝ている時間帯に急に何者かが侵入してきて、凶器を持っていたり暴力を振るわれたりすることがあると、私達としてはできることがないですよね。

萩谷麻衣子弁護士:
これだけ社会に脅威を与えているので、実効性ある法整備を考えなければいけないと思います。

例えば、暴力団については暴力団対策法が平成3年にできて、取り締まりを強化して弱体化していきましたが、このグループのネックは、流動性が高いところです。

どういうグループに法律の網をかければいいのか、その定義が難しいので全容解明が困難ということはあるにしても、法の網をかけるには組織の解明が重要になってきます。

井上貴博キャスター:
強盗の検挙率は9割を超えているので、玄人はなかなか手を出さないと言われている犯罪形態です。

このように闇バイトである程度集めて、実行犯を切り捨てられるとなると、リスクを全く考えなくなっていますよね。そうすると防犯カメラがあることも歯止めにならない、お金のない所でもとにかく入れと、無茶苦茶なことができる。ここをどう阻止するのか、大変ですよね。

萩谷麻衣子弁護士:
組織の中核にいる人間は「数打ちゃ当たるだろう」としていますよね。警察もAIを駆使して、闇バイトの募集について検索・削除要請をして、それが功を奏しているところもあるようですが、検挙率は9割を超えていて捕まりますし、捕まったら非常に重罪です。約束された報酬も払われないことも多いので、こんなものには手を出さない。バイト感覚でやらないということが重要です。

狙われやすい家は「高齢者が住む一軒家」犯人と鉢合わせしたら「抵抗しない」

齋藤キャスター: 
では、どんな家が狙われやすいのでしょうか。

特徴としては「高齢者が住む一軒家」。

佐々木さんによると「高齢者・資産家が記載された‘’闇リスト‘’でターゲットを絞っている可能性がある」そうです。

もし犯人と鉢合わせをしてしまったら、抵抗しないことが大切。さらに物音がした場合は、電話を持ちながらいつでも110番できる態勢で様子を見に行ってください。

では、どんな対策が有効なのでしょうか。

佐々木さんは「防犯カメラだけでは不十分なので、犯人が侵入したら警告音や照明で犯人・近隣住民に知らせるという準備が必要」だといいます。

ホラン千秋キャスター:
音が鳴った瞬間にやばいと思って逃げてくれることを期待したいですが、それでもひるまず中に入ってきてしまったら怖いですね。

荻谷弁護士:
指令を受けてその通りに動いているところがあるので、見つかったり人の目があることで怖い・ひるむということは素人だからこそ薄れていると思います。

なので、できることとしては、寝るときにも携帯をそばに置いて何かあったらすぐ110番できるようにするとか身を守っていかなくてはいけないと思います。

井上キャスター:  
どこまで実効性があるかわかりませんが、安い物でもいいので防犯ステッカーを家の目立つところに貼っておくと良いと言われています。できることを一つ一つやるということを切に願います。

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<プロフィール>
萩谷麻衣子さん
弁護士
結婚・遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当

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