台風18号は非常に強い勢力で台湾直撃か その後東シナ海で迷走も

大型の台風18号は、29日の夜から急速に発達して非常に強い勢力となっています。中心付近にはハッキリとした台風の目も見られて、発達の最盛期となっています。

このあと台風18号は台湾を直撃して、沖縄方面から東シナ海へと進む予想が多くなっています。東シナ海では予報円が大きくなってどこへ行くのか予報のブレ幅が大きな状況も予想されています。気象庁やアメリカ・ヨーロッパの海外予報機関の予想もあわせて見ていきます。

気象庁(JMA)

台風は今が発達の最盛期です。このあと非常に強い勢力で台湾に直撃またはかなり接近する予想です。その後は、先島諸島へ進み東シナ海へと北上する予想となっていますが、台湾接近後は陸地の影響を受けるため、かなり勢力を落とす見込みとなっています。

また3日先以降の台風進路の予報円の大きさが急に大きくなり重なっています。これは動きが遅くなりコースも定まっておらずブレ幅がかなり大きくなっていることを示しています。

気象庁が日々の天気予報で使っている計算モデルの一つ、GSMモデルでは台風は3日以降、東シナ海で動きがゆっくりとなり、同じような位置に停滞する可能性も示されています。なぜこのような動きになると予想されているのでしょうか。

【画像で確認】東シナ海で停滞⁉10月6日(日)までの雨・風シミュレーション

台風を流す上空の風がなく迷走?秋でも偏西風に乗れずにノロノロ

台風18号は先週までの予想に比べると、非常に強い勢力に発達して北上のスピードが遅くなっています。これには周辺の上空の高気圧が台風の北側に張り出していて北上をブロックする形になっています。

2日(水)になると北側の高気圧は多少弱まるため台風は北寄りへと進めるようになります。ただ台風の周辺には台風を加速させるような上空の風は吹いていないため動きは比較的ゆっくりです。
台風を大きく加速させるような風が吹いている上空の偏西風の流れは朝鮮半島付近と離れたところを吹いています。

その後、3日以降、台風は先島諸島付近からゆっくり東シナ海を北上する見込みですが、上空の偏西風は南へ下がることなく北上していきます。

台風が東シナ海にいる間、台風を大きく流すような上空の目立った風はないために進路が定まっていません。台風進路予想の4日先、5日先の予報円が大きくなり重なっているのはこうした理由も一つにありそうです。

【画像で確認】東シナ海で停滞⁉10月6日(日)までの雨・風シミュレーション

アメリカ・ヨーロッパも北上予想 東シナ海で動き遅く

アメリカ海軍(JTWC)

アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。現在、台風17号と台風18号の2つの進路予想を発表しています。

台風18号は台湾を直撃する予想で、その後は東シナ海方面へと北上する見込みです。最大風速の予想をみると気象庁と同様に台湾の南の海上で発達のピークを迎えて非常に強い勢力へと発達する予想となっています。

ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)

アメリカ海洋大気庁(NOAA)

アメリカ海洋大気庁はアンサンブル予報の結果について発表しています。「アンサンブル予報」は、数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。

台風18号は北上して沖縄から台湾の間あたりを通過したあと、東シナ海から九州方面へと進む予想データが多くなっています。東シナ海の進路予想はかなりバラツキがあり、予報のブレ幅が大きくなっています。

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)

ヨーロッパの予想も台湾に上陸して先島諸島付近に向かうまではわりとそろっていますが、その後は進路予想は朝鮮半島へ向かうデータもあれば大陸方面へ向かうデータもあるなど、予想のブレ幅は一気に拡大しています。台湾付近を通過後は勢力はかなり衰える予想となっています。

【画像で確認】東シナ海で停滞⁉10月6日(日)までの雨・風シミュレーション

台風17号は関東の南の海上を北上 関東のすぐ東の海上を通過へ

気象庁(JMA)


アメリカ海軍(JTWC)


アメリカ海洋大気庁(NOAA)


ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)

※台風の最新情報については気象庁発表する台風情報をご確認ください。

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