「地方を守る」。10月1日、総理大臣に就任する自民党の石破茂総裁が掲げるスローガンの一つです。
全国よりも早いスピードで、人口減少が進む北海道を救うことはできるのでしょうか。
北海道釧路の、とある神社。境内に建てられた記念碑には「石破二朗」と刻まれています。
鳥取県知事などを務めた石破総裁の父親です。
釧路市鳥取地区はその名の通り、明治時代に鳥取県の士族が移住した場所です。
1歳から鳥取で育った石破総裁も、この神社を数回訪れ、座右の銘を残しています。
「鷙鳥不群」―。鷲や鷹のような強い鳥は、群れないという意味です。
自民党 石破茂 新総裁
「地方の人口減少は止まりません。これに歯止めをかけていかねばなりません」
総裁就任会見で「地方を守る」と訴えた石破総裁。第二次安倍政権では、初代・地方創生担当大臣を務めました。
その石破総裁、10月1日に発足する内閣の地方創生担当大臣に、釧路など北海道7区選出の伊東良孝衆議院議員を起用する方針を固めました。
釧路市民
「だんだんと町が衰退して、人口も減ってきているから大きな企業とか来てくれれば、町が潤う」
「様子見だね。どの程度やってくれるか分からないが、期待するしかないのでは」
民間組織「人口戦略会議」によると、北海道内の自治体の6割超が、消滅する可能性があるとされ、人口の減少は北海道最大の課題です。
日本一人口の少ない市、北海道歌志内市。人口約2,600人の半分を超える市民が、65歳以上の高齢者のマチです。
歌志内市民(70歳)
「あっけらかんとしている、ほとんど人は歩いてないから」
歌志内市民(78歳)
「中央の政治が、ここまで浸透するのか一抹の不安はある」
認定こども園『あおぞら』。2018年に歌志内市の保育所と幼稚園を統合して作られました。
人口減少対策の柱として、歌志内市は0歳から“保育料を無償化する”など、教育環境の整備を進めています。
3年前には同じ敷地内に、小中学校を統合した『歌志内学園』も開校し、子どもたちや保護者が、年代を超えて交流できる場を作っています。
3児の母親
「子どもたちも(通う)場所が変わらないので通いやすいし、慣れやすい」
2児の父親
「ほかのところで子育てすると、保育園や幼稚園に通うのにお金がかかるが、その辺は心配なく通える」
認定保育園こども園『あおぞら』 長沢栄子 園長
「0歳から保育料が無料で、給食費、医療費も無料」
「すべての部分で保護者にとって、環境はとてもいいと思う。それが当たり前の日本になってほしい」
9月30日午後、10月27日の投開票に向けて、衆議院を解散する意向を明らかにした石破総裁。
地方が縮んでいるスピードは想像以上に早く、これまでの手法ではない新しい知恵が求められます。
堀啓知キャスター)
10月1日、総理に就任する石破総裁が訴えた主な政策をまとめました。
・ロシアや中国を念頭に、安全保障の課題が山積するなかで日本を守る。
・デフレ脱却を確実なものとし、岸田内閣の新しい資本主義を加速させる。
・人口減少に歯止めをかける。東京対地方という構図ではなく、地方を守る。
・女性や若者、ハンディを持つ人など皆が、笑顔で安心して暮らせる日本をつくる。
そして、派閥裏金事件で処分された議員の公認については「公認権者である私も説明責任をきちんと果たしていきたい」と述べるにとどめています。
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