9人が出馬し、異例の混戦となった自民党総裁選。27日、石破氏が決選投票で逆転勝利し、総裁に選ばれました。きたる衆議院選挙に向かい、与野党がしのぎを削ることになります。

“石破新総裁” 5度目の挑戦…舞台裏は

27日、文字通り、自民党総裁の「座」についた石破氏。

石破茂 新総裁(27日)
「まだ実感がなくてね。『総裁』と言われても誰のことでしょうかと…」

地元で見守っていた妻の佳子さんも夢ではないかと、ほっぺたをつねる仕草。

今回、実に5度目となる総裁選への挑戦で、勝利を手にしたのです。

9人が乱立した今回の総裁選。高市氏が大方の予想を上回る国会議員票を獲得すると、会場からはどよめきが。

小泉氏は最多の議員票をたたき出すも、党員票が伸びず、3位に終わりました。

そして迎えた決選投票。

選管アナウンス
「高市早苗くん194票、石破茂くん215票。石破茂くんをもって当選者と決しました」

1回目の議員票では30票近く負けていた石破氏が、逆転したのです。接戦の末に敗れた2人は・・・

小泉進次郎 元環境大臣
「選挙、政治というのは“たられば”を言ったらキリがないと思います」

高市早苗 経済安保担当大臣
「多くの方に助けていただきながら申し訳ないことだったと思っております」

最後まで予測不能と言われた今回の総裁選。何が勝敗を分けたのでしょうか。

総裁選の勝敗を分けた自民党議員の「バランス感覚」

政治ジャーナリスト 後藤謙次氏
「高市さんだけは阻止をしたいと。ある種のバランス感覚が働いた」

“高市総理”を阻止したい、自民党議員のバランス感覚とは・・・

政治ジャーナリスト 後藤謙次氏
(高市氏は)唯一安倍さんが後継者として認めた人。ただ、今回は旧統一教会の問題、裏金問題、いずれも震源地は安倍派。つまり安倍派と一体化した政権になると選挙に勝てない。党内野党を貫いてきた石破さん。そこが石破政権を生んだ大きな原動力」

若い頃から「党内野党」とも呼ばれる存在感を示してきた石破氏。

石破茂 衆院議員(1993年)
「私ども、こういう手段に出ざるを得なかった」

この時は、宮沢総理の自宅まで押しかけ、選挙制度改革について直談判。

麻生内閣では、閣僚でありながら麻生氏に退陣を迫った因縁も。

2018年 現職の安倍氏と争った総裁選では・・・

石破茂 元幹事長(2018年)
「私は正直で公正、そして謙虚で丁寧、そういう政治を作りたい」

森友・加計問題で追及されていた安倍氏との違いを鮮明に打ち出しますが、自民党内では「後ろから弓を引く」などと批判の的に。

“非主流派”へと追いやられてきましたが、今回、自民党に“刷新感”が求められる中で担ぎあげられた形です。

石破茂 元幹事長(8月)
「カネのための政治などもってのほか。政治家は本当に国民のための政治をしているのか。そういう不信は今なお消えていない」

“石破総理”は何を目指す?立憲民主・野田新代表は

新たな自民党総裁に選ばれた石破茂氏。裏金事件や旧統一教会問題について、改めて再調査の必要性を問われると…

石破茂 新総裁(27日放送 BS-TBS「報道1930」より)
「再調査の必要があるかないかも判断するだけの知識を持ち合わせませんので、『納得したよ』という方が増えるための努力は目一杯しないといけない」

対する立憲民主党。新たな党の代表に選ばれた、この人は・・・

野田佳彦 新代表(23日)
「自民党にペナルティを与えられるような、そういう環境をつくるのが自分たちの使命」

23日、現職の泉氏や枝野元官房長官を破り、新代表に選ばれたのは野田元総理大臣。野田氏と言えば…

野田佳彦 総理大臣(2012年)
「家に通知表を持って帰った時、生活態度を書いた講評に『野田くんは正直の上にバカがつく』と書いてあった」

その正直さがアダとなったのか、当時、野党だった自民党・安倍総裁に対し、議員定数の削減などと引き換えに解散総選挙を約束。結果、民主党は政権を明け渡すハメになったのです。

では、次はどうするのか…

野田佳彦 新代表(17日放送 BS-TBS「報道1930」より)
「自民党に失望して離れた人たちを狙った穏健な保守層までターゲットにした戦略が必要」

裏金事件や旧統一教会問題などで自民党から離れた保守層を取り込まなければ、政権交代は叶わないという姿勢。

10月1日には、臨時国会が開かれます。

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