熊本市で20代の女性が飲酒運転の車にはねられ死亡した事故から、9月16日で3か月を迎えました。

車を運転していたとして逮捕・起訴された男は、なぜ飲酒運転をしたのか、いま何を思うのか。拘置所で直接話を聞きました。

防犯カメラに映る「時速70キロの逆走車」

事故が起きたのは、2024年6月15日午前4時15分ごろ。熊本市中央区細工町の歩道で、信号待ちをしていた横田千尋さん(27)が軽乗用車にはねられ、死亡しました。

記者「地上機器をなぎ倒して、軽乗用車は歩道に突っ込んだとみられます」

横田さんをはねたのは、飲酒運転の車でした。

この車を運転していたのは、熊本市中央区春日の飲食店従業員 松本岳被告(23)です。

車の前方は大きく破損し、道路にはガラスが散乱。現場近くの防犯カメラには、事故直前にバックで逆走する車の様子が映っていました。

警察によりますと、このときの速度は時速70キロほどだったとみられています。

防犯カメラに映るバック走行の逆走車

逮捕後、熊本地方検察庁は、罪名を危険運転致死に切り替えて、松本被告を起訴しました。

なぜ飲酒運転をしたのか。話を聞くため、拘置所にいる松本被告を訪ねました。

男が語った「後悔と反省

事故直後より髪が伸びた松本被告は、飲酒運転を認めたうえでこう話しました。

松本岳被告「なんであんなことをしたんだろう。自分の中の、このくらい(の飲酒)なら運転をしてもいいという軽い気持ちがダメだった。後悔と反省の念しかない」

なぜ事故は起きたのか

捜査関係者によりますと、松本被告は、事故の前日の午後5時ごろに、熊本市中心市街地にある勤め先の飲食店に車で出勤。その後、日付が変わって15日の午前1時半ごろまで働いていました。その仕事中に酒を飲んでいたということです。

松本被告は仕事後に車で知人の家など2か所に立ち寄ったとみられています。

そして仕事を終えてから約3時間後の午前4時15分ごろ、帰宅中だった松本被告は、前を走るトラックに追突。その直後に猛スピードでバックし、道路を逆走し始めます。

トラックに追突した場所から事故現場までの地図

事故現場の手前、数百メートルの場所にある防犯カメラの映像でも、そこから150mほど離れた場所の防犯カメラでも…バック走行で逆走する松本被告の車が映っていました。

バック走行をした理由について警察に「飲酒がばれるのが嫌で逃げるために必死だった」という趣旨の話をしていたということです。

車と信号機に挟まれ…「やってしまった」

記者「松本容疑者が運転していたとみられる軽乗用車は、道を直進した後、300メートルほどバックで走行し、その後、何らかの理由で正面に向きを変えて、信号機の柱に衝突しました」

そこに偶然居合わせたのが友人と2人で帰宅中だった横田さんでした。横田さんは車と信号機の間に挟まれ死亡しました。

この時の心境について、松本被告は。

松本被告「軽く聞こえるかもしれないけど『やってしまった』と思った。ただただ焦りしかなく警察の言うことを聞かないといけないと思っていた」

また今後の人生について。

松本被告「これからの人生は100% 被害者、遺族に謝罪を続けていきたい」

松本被告は25分ほどの面会中、「後悔と反省の念しかない」と4回口にしました。

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