江戸時代を起源とする島根県隠岐の島町の伝統行事「隠岐古典相撲大会」が今年12年ぶりに開かれ、夜通し取り組みが行われました。
祝い事があったときにのみ催され、今回は町合併20周年を記念して開催。独特なしきたりが数多く残っている隠岐古典相撲にカメラが密着しました。

9月14日、島根県隠岐の島。相撲甚句が響くなか、集落を練り歩く男たち。


隠岐古典相撲に出場する力士たちです。

江戸時代に起源があるとされる隠岐古典相撲は、一般的な相撲大会と違い、島内で祝い事があったときにのみ開催されます。

12年ぶり、15回目となった今回は、合併で誕生した隠岐の島町の町政20周年を記念して開催されました。

呼び出しの声に力士が立ち上がると、割れんばかり歓声とともに、力士を激励する大量の塩が一斉に撒き上がります。


土俵に詰めかけた観客は、気合十分の取り組みに酔いしれました。

観客は
「島の人がみんな一致団結して気持ちが一つになる。この年寄りには力になります」

隠岐古典相撲は、夜を徹して取り組みが行われます。

出場する力士は10代から60代まで約220人。
「座元」と呼ぶ祝い事があった地域と近隣の力士と、「寄方」と呼ばれる、他の地域の力士が対戦していきます。

同じ力士の対戦は2度行なわれ、1回目に勝った力士は2回目に勝ちを譲り、1勝1敗の引き分けで終わるのが決まりです。

遺恨を残さないためといわれていて、「人情相撲」とも呼ばれます。

このように、隠岐古典相撲には独特なしきたりが数多く残っています。

大会は、60年ほど前に若者たちの都会への流出で一時、途絶えてしまいましたが1972年・昭和47年に復活。
町の人は、口をそろえて、今後もこの大会を守り続けていきたいと話します。


隠岐の島町 池田高世偉 町長
「皆さんと一体となって祝いができること、これを契機に新しい町に向かってみんなと一緒にやっていきたいと決意新たにした大会になると思っています」


役力士を務めた 池田晃大さん
「皆さんが一つになってここまで盛り上がる祭りはそうそうないと思うので、これからもずっと残していかないといけない文化だと思います」

役力士には土俵の四本柱が贈られ、力士が柱に跨り凱旋しました。


誇らしげに集落を練り歩く地区の人たち。

昔と変わらぬ姿が、今も脈々と受け継がれています。

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