7年前、北九州市小倉北区のアパートに放火して全焼させたとして、元入居者の男が逮捕された事件についてです。

男は当時、放火について周囲にほのめかしていたということで、警察が、殺人容疑での立件も視野に捜査を続けています。

27日午後、送検された井上浩二容疑者。

2017年5月、小倉北区清水の日雇い労働者や生活保護受給者などが住んでいた木造2階建てアパート・「中村荘」に放火した疑いが持たれています。

この火災では、アパートと隣接する住宅が全焼、アパートに住んでいた50代から80代の男性6人が死亡したほか、5人が重軽傷を負いました。

近隣の住民「なんで放火をせんといかんかったのか。相当な借金をこしらえてやっと支払いが終わって、これからっていう人がいたのを聞いたことがあるんですけど、その方も亡くなったと聞いて残念だったろうなと思いますし、ご冥福を祈るしかないですね」

出火当時、現場近くの防犯カメラに不審な人物の姿が映っていたことなどから、警察は放火の疑いもあるとみて捜査を開始。

直接的な証拠がない中、様々な検証を積み重ねて放火と断定したうえで、600人以上への聞き込みや、70台以上の防犯カメラ映像の精査など、地道な捜査を積み上げました。

7年に渡る捜査の末、別の放火事件などで有罪が確定して服役し、27日にも刑務所を出所する予定だった井上容疑者の逮捕にこぎ着けました。

福岡県警捜査一課 橋本浩輔課長「事件のことを一日たりとも忘れたことはない。犯人の逮捕を諦めたことはない」

取り調べに対して、「そのようなことはやっていません」と容疑を否認しているという井上容疑者。

アパートに入居していた当時、管理会社の従業員に不満を持ち、「火をつけて燃やしちゃろうかね」などと別の入居者に繰り返しほのめかしていたということです。

警察は殺人容疑での立件も視野に、全容解明に向けて捜査を進めています。

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