交通人身事故のうち、飲酒運転による事故の割合が去年まで3年間連続で全国ワーストだった沖縄。その沖縄で、とりわけ高い割合で飲酒事故を起こしているのが米軍関係者で、沖縄県警によるとその率は沖縄平均の2.5倍だ。
先日ひとりの男性が、米軍基地のなかで米兵らに直接、飲酒運転の根絶を呼びかけた。
「俺は事故らない」と思っていた宮城さんが体験を伝える
▼飲酒運転事故で両手が不自由になった宮城恵輔さん
「ニュースで見る飲酒運転の事故は他人事、事故を起こすやつは運が悪いだけ、俺は事故らない、捕まらない」
自身が起こした飲酒運転事故の体験を話すのは宮城恵輔さん(40)。
2005年、酒を飲んだ状態でバイク事故を起こし、両手が不自由に。今ではその経験を伝え飲酒運転根絶を訴える活動をしている。
宮城さんが語りかけたのは、北谷町の米軍基地「キャンプフォスター」に所属する海兵隊員や従業員など、約400人。
沖縄県では去年、交通人身事故が約3000件発生していて、このうち飲酒運転によるものは82件、全体の2.8%となっている。この割合は、全国平均の約3.2倍、3年連続全国ワーストだ。
沖縄県の数字には米軍関係者も含まれている。
米軍関係者が起こす飲酒運転絡みの事故の割合は全体の6.9%。全国ワーストの沖縄平均を、さらに大きく上回る。
こうした状況を重くみた県は今年、県民だけでなく、米軍関係者への啓発活動をスタートした。宮城さんの体験談を聞いてもらう取り組みを、嘉手納基地や「キャンプハンセン」、「キャンプシュワブ」など、県内各地の米軍基地で実施してきた。
▼宮城恵輔さん
「同じ沖縄県民として沖縄県から飲酒運転をなくすために、一緒に協力してくれませんか」
これまで宮城さんの講話会に参加した米軍関係者は3500人以上。足を運んだ海兵隊員たちはー
▼女性海兵隊員
「宮城さんの話を聞いてとても大変だと感じた。今日のプレゼンを聞くことによって、この大変な問題について取り組むことができればと思った」
▼男性海兵隊員
「強いメッセージを感じました、飲酒運転がとても深刻な問題と分かった。絶対飲んだら飲むなというメッセージを共有していきたい」
飲酒運転は増えている
「飲んだら乗らない」「乗るなら飲まない」。徹底すべきことはこれだけなのだが、今年8月までの県内の飲酒運転件数は867件(米軍関係者を含む)と、去年の同時期に比べて100件以上も多い。明らかに増加傾向にあるのが現実だ。
県は来年2月まで、他の米軍基地でもこの講演を続けていく予定だとしている。(取材 宮城恵介)
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