東北自動車道の下り線で、25日に逆走していた軽トラックが乗用車と衝突しました。男性2人が重軽傷を負ったこの事故の直前に、軽トラックとすれ違ったドライバーは「自分が間違えたと錯覚した。怖かった」と語りました。

これは25日午後4時半前、東北自動車道下り線の黒石インターチェンジ付近を走行中の車に搭載されたドライブレコーダーの映像です。

追い越し車線を逆走し、こちらに向かってくる軽トラック。走行車線を運転していた女性は、当時の状況をこう振り返ります。

逆走車とすれ違った女性は
「白い車が向かってくるので、ありえないなと…。クラクションを鳴らしても見向きもしてくれなくて、私が間違えたかなと一瞬錯覚した」

直後に軽トラックは乗用車と正面衝突する事故を起こしました。
警察によりますと、現場は黒石インターチェンジから浪岡インターチェンジ方面に約800mほど進んだ場所で、2台は追い越し車線上で衝突したということです。

この事故で、軽トラックを運転していた黒石市の農業・小山内良司さん(67)が腹を強く打ち、大けがをして、乗用車を運転していた57歳の男性も軽いけがをしました。

逆走車とすれ違った女性は
「いつもこの時間は混んでいる。急いでいる時は追い越し車線を使う所なので。この日はたまたま空いていた。追い越し車線にいなくて良かった。怖いです。『こういうことってあるんだ』と。他人事で『絶対ないな』と思っていた」

警察によりますと、こうした高速道路での逆走は8月も上北道で起きるなど、毎年のように発生しているということです。

交通事故の調査・解析を行う事務所の代表を務める熊谷宗徳さんに、逆走が起きる「要因」と高速道路を利用する上で「注意する点」を聞きました。

熊谷さんは、逆走が起きるケースを次のように例示します。

交通事故調査解析事務所 熊谷宗徳 代表
「高速道路の出入り口ですね。出口から間違って入ってしまう。あと、サービスエリアに入って出るときに入り口から出てしまう例もあります」

逆走した車のドライバーは高齢者が多いといい、「追い越し車線」を「片側交互通行」と誤認してしまうことが主な原因と指摘します。

今回、逆走車とすれ違った人のように事故に巻き込まれるリスクを減らすためには、高速道路を利用する人が注意する点があります。

交通事故調査解析事務所 熊谷宗徳 代表
「できるだけ走行車線を走ること。追い越し車線を走行する際は、前に車がいれば車間距離は100m以上空けること、逆走車は影からいきなり出てくるので、たった2秒で100m縮んでしまう」

警察は、双方の車を運転していた男性に話を聴き、事故の原因を調べるとともに高速道路を利用するドライバーに逆走車両と遭遇した場合、慌てずに減速してから車線変更するなど衝突を回避するための行動をとるよう呼び掛けています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。