パトカーが緊急走行中かどうかをサイレンの聞こえない聴覚障害者でも判別できるよう、パトカーの赤色灯に新しい発光パターンが導入される。警察庁が25日、発表した。新しい赤色灯を搭載した車両は、本年度後半から順次、全国都道府県警察に配備される。

◆「譲るべき?」後方のパトカーに戸惑い

聴覚障害者に配慮した赤色灯を載せたパトカー(右)と従来のパトカー=25日、東京都千代田区で

 警察庁によると、現在の赤色灯の光り方は、110番を受けてサイレンを鳴らしながら現場に急行する緊急走行時も、サイレンなしの通常のパトロール時も同じ。0.5秒周期で回転しながら点滅している。  新たに導入するのは、一度光った後、ホタルの光のように2秒周期でゆっくりと点滅する光り方で、パトロール時に使う。  サイレンが聞こえない人は運転中、後方から来たパトカーに道を譲るべきかどうか判断に戸惑うことがあるという。全日本ろうあ連盟は2012年以降、同庁に「赤色灯で判別できるようにしてほしい」と求めてきた。同連盟の山根昭治・本部事務所長は「『見る』ことを中心に生活している私たちにとって、目で分かる今回の改善は大変ありがたい」と話した。  警察庁は本年度、新しい赤色灯のパトカーと交通事故処理車計約520台を全国に配備し、今後は全国で計約1万台を更新していく。同庁会計課の土橋喜巳治装備室長は「国民の安全、安心に資するよう努めたい」と話した。(小倉貞俊) 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。