能登地方を襲った記録的豪雨。チューリップテレビはJNNの取材団として被害が大きかった石川県珠洲市に取材に入りました。珠洲市では元日の地震で被災した人が入る仮設住宅が浸水被害を受けていましたが、富山と30年以上取り引きのあった水産加工会社も大きな被害を受けていました。

今月21日、元日の地震の爪痕が残る能登地方を襲った記録的豪雨。能登地方では珠洲市や輪島市などで23の川が氾濫しました。

被害は地震で自宅が被災した人たちが入る仮設住宅でも…。

髙木健至記者「珠洲市の仮設住宅に来ています。川からあふれ出た水が階段を超え床上浸水したということです」

Q:水はどの辺まで?

住民「水ですか?この辺まで。怖かったね。しょうがないわね。自然の事なんでね。誰の仕業でもないから」「怖いですよ。やっぱり。一人やったもんで」

髙木記者:「珠洲市内を流れる若山川です。川の水で岸がえぐられ住宅が傾いています」

元日の能登半島地震で甚大な被害が出た珠洲市若山町。町の中心部を流れる若山川が氾濫し多くの住宅が濁流に飲まれました。この日、住民らが住宅に流れ込んだ土砂の後片付けに追われていました。

富山県の水産加工会社からの依頼で30年以上にわたって昆布巻きなどの加工品を作ってきた「兼盛水産」の加工場も床上浸水の被害がでました。

兼盛加工場​代表 兼盛美和さん「水が引いて夕方、ここに来ました。そしたらこんな状態で」「何でこうなったんだろうという。ただそれだけですね」

これは9月21日午前11時過ぎ。水産加工会社の近くで撮影されたものです。若山川から押し寄せた濁流で道路が川のようになっています。

兼盛加工場​代表 兼盛美和さん「あっちの方で決壊したのが全部流れ込んでこっちに」

「兼盛水産」は能登半島で相次ぐ群発地震で工場への被害が相次ぎ去年12月に廃業に追い込まれました。

兼盛加工場​代表 兼盛美和さん「私も(地震の方で被害を受けた)自宅を片付けたばっかりで。やっと一歩前進出来るわというところに洪水が来たので。何か何やってんだろうと思いましたね」

兼盛さんの夫が経営する飲食店では豪雨のあった21日、復興に向けたイベントが企画されていてそれに使う機械や道具が加工場に置いてありましたが、すべて濁流に飲み込まれました。

Q:この窯は何に使う窯なんですか

兼盛加工場​代表 兼盛美和さん「イベント用のピザ窯です。1月の地震でこれも割れちゃってそれを旦那が組み立ててひびだらけでみっともなかったから漆喰を塗って珠洲のシーグラスと貝を張り付けて珠洲バージョンのピザ窯を再現したんです。それも水で浸水したからこれが今使えるかどうか」

関係者「これ本当はきょう出番だった」「きょうイベントで使う予定やったんですけど。壊滅で」

豪雨のあと片付けていたとき、兼盛さんが大切にしていたものが出てきました。

兼盛加工場​代表 兼盛美和さん「こっちは大丈夫やね。よかった。でも濡れてるね。これはみんなで懇親会とか忘年会に行った時の写真で水産加工会社の時の。富山の社長がしていた金太郎温泉に行ったり。でもいけるね。何とかいけそうですね。大事なのでとっておきます」

元日の地震から9か月。少しずつ歩みを進めていた能登の住民にとって復旧は程遠い状況になっています。

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