熊本県の村役場に、木製の「ガードレール」があります。実はこのガードレール、自治体による新たな挑戦の始まりでした。

ディレクター「あそこだけ、ガードレールの色が違います」

向かったのは南阿蘇村役場の駐車場。近づいてみると、ガードレールの一部が木製になっていました!

なぜガードレールに木を使っているのか?熊本県南阿蘇村 水・環境課の田上義明さんに話を聞きました。

熊本県南阿蘇村 田上義明さん「これはスギなんですけれど、樹齢50年を過ぎた大径木でできています」

適齢期を過ぎたため、木材として使用されないスギの木を活用したガードレール。九州大学と連携して取り組んでいるもので、大学側でガードレールの設計など行っています。今年(2024年)7月から、村の敷地内のみでテスト期間中です。

この取り組みには、多くのメリットがあるそうです。

田上さん「まず、地球温暖化対策。そして森林の適正管理と林業の活性化、それから景観形成、スギ花粉対策。この4つ」

環境にも優しく、地場産業を元気に。さらには国立公園である阿蘇の景観にぴったりと、良いことづくめです。

ただ、実用化するには大きなハードルがあるそうです。

田上さん「国土交通省の衝突試験を受ける必要があります。実はその試験は高額の費用がかかるので、その資金をどうにかして捻出する必要があります」

2000万円近くかかると言われる試験の費用を、村単独で捻出するのは困難。そこで、今後はクラウドファンディングなども視野に資金の調達方法を模索し、実用化を目指したいということです。

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