この夏は、異例の猛暑となりました。広島県内の農作物や、私たちの健康への「余波」を取材しています。
RCCウェザーセンター 末川徹気象予報士
「庄原市高野です。日は照っていますが、時折吹き抜ける風が気持ち良いです。これから旬を迎えるのが、リンゴです」
標高500㍍あまり、30品種を栽培しているりんご園です。出荷を間近に控える「ひめかみ」は色づきの良さが特徴ですが、強い直射日光による日焼けで変色したモノも。
長曽りんご園 長曽勇樹さん
「普段収穫する9月の気温ではない。内部からの傷みも出てきやすい。2023年は見られなかった」
高野では、2024年8月の観測史上1位の34.5℃を観測。猛暑日とまではいきませんでしたが、記録的な暑さとなりました。標高も高く、夏も涼しいはずですが、9月以降も30℃を超える日が続き、残暑が長引きました。
長曽りんご園 長曽勇樹さん
「昔に比べると、リンゴの着色が難しい時代になってきた。着色しなくても熟れる黄色系のリンゴも少しずつ増やしている」
猛暑とともに厄介だったのが、カメムシです。農園でも、カメムシに果汁を吸われた実が少なくありません。
広島県によりますと、カメムシの数は、過去10年で最も多く、高野で、平年の32倍に及びました。被害の程度にもよりますが、出荷できないため、ジュースなどの加工用にまわされます。
例年の夏と違う環境の変化を乗り越え、10月にリンゴ狩りのシーズンを迎えます。
RCCウェザーセンター 末川徹気象予報士
「広島市中心部です。こちらの薬局では、『クーリングシェルター』暑さをしのげる場所となっています」
広島市薬剤師会は、「大塚製薬」と連携し、冷房の効いた室内を無料開放しています。
アスト薬局 合原憲太さん
「暑い時期が長かった。9月初旬で一旦緩み、再び暑くなった。(熱中症への)警戒が緩まないよう、水分摂取の声かけを続けている」
また、健康状態についても薬剤師が直接、アドバイスしてくれるということです。
アスト薬局 合原憲太さん
「処方箋を持っていないと薬局入りづらい印象だが、気軽に健康相談ができる。体調不良を感じたら、寄ってほしい」
猛暑はおさまりましたが、今後しばらく平年より気温の高い日が続く見込みです。
この先、自律神経の乱れに注意してください。普段は、体温を一定に保つため、自律神経が調節していますが、寒暖差についていけず、乱れてしまうことが多くなります。
症状としては、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・めまい・頭痛・首や肩こり・だるさ・冷え・胃腸障害・イライラ・不安などです。
加えて、気温の変化で、血圧が上下し、心臓や血管の疾患がおこる「ヒートショック」が起きやすくなります。脳内出血・大動脈解離・心筋梗塞・脳卒中などです。
対策は
▽服装で調節。薄めの服を重ね着
▽1日の気温変化をチェック。暑い・寒い思いをしない
▽39~40℃のぬるめのお風呂での入浴
▽ウォーキングやストレッチなどの軽い運動
▽十分な睡眠で自律神経を乱さないように
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