日本のすぐ南海上に熱帯低気圧 今度の進路や発達の可能性は

24日午前の天気図で日本のすぐ南海上で熱帯低気圧が解析されています。また日本のかなり南の海上のマリアナ諸島付近には雲域がまとまり低気圧があります。

これらの熱帯低気圧や低気圧が今後さらに発達して台風となる可能性はあるのでしょうか。気象庁やアメリカ・ヨーロッパの海外予報機関の予想を比較しながらみていきます、

気象庁(JMA)

気象庁の26日(木)午前9時の予想天気図では、日本のすぐ南の熱帯低気圧は現在と同じような位置にあり、ほとんど動いていない予想です。中心気圧も同じで今以上に発達する予想でもありません。

アメリカ海軍(JTWC)

アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。

24日夕方時点で、熱帯低気圧について「94W」と表示され赤い丸で囲まれています。この雲域がJTWCの監視対象となったことを意味しています。

JTWCでは定めた基準以上に発達する雲のまとまりができると、LOW(黄)→MEDIUM(オレンジ)→HIGH(赤)へとレベル分けして情報を発表します。赤色になると台風の発生時期に近づいた目安となります。それぞれの意味は以下の通りです。

LOW(黄):監視対象ではあるが、今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性は低い
MEDIUM(オレンジ):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性も高まっているが、発達するには24時間以上かかる見込み
HIGH(赤):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する見込み

【画像で確認】熱帯低気圧はどこへ向かう?28日までの雨・風シミュレーション

アメリカ・ヨーロッパの進路予想 進路は北東?西より?

アメリカ海洋大気庁(NOAA)

台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行います。数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。

94Wについて、しばらく同じような場所に位置したあとの進路予想は、北東方向に進むデータもあれば、西よりへと進む予想もあり、かなりバラツキがあります。いずれもそこまで発達させる予想にはなっていません。

またNOAAではマリアナ諸島付近にある低気圧についても91Wとしてアンサンブル予報の結果を公開しています。こちらの進路予想についてもまだかなりブレ幅があります。

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)

ヨーロッパ中期予報センターの予報では、現在と同じ海域にしばらく位置したあとに北東方向へと進んで、東日本のすぐ南の海上へと進む予想となっています。

ヨーロッパのモデルでも熱帯低気圧はそこまで発達する予想にはなっていません。アメリカ・ヨーロッパの予想データともにごく一部が台風の基準までギリギリ達するかどうかです。熱帯低気圧が台風まで発達する可能性はゼロではありませんが低いとみられます。

気象庁の雨・風シミュレーション 週末は関東の南海上に接近も

気象庁が日々の天気予報で使う予想モデルの一部である数値予報(MSMモデル)の結果では、熱帯低気圧は週末に北上して紀伊半島のすぐ南から関東の南海上へと進む予想があります。

気象庁(MSMモデル)

一方で、12時間前に計算された同じMSMモデルの予想結果では、27日午後3時には九州の南西海上に進むと予想されています。初期値ごとに予想が大きく変わっておりブレ幅が非常に大きな状態です。

アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報も北東へ進む予想データや南西へ向かう予想データがあり進路にかなりのバラツキがありました。各国のモデルをみてもまだ大きなブレ幅があるといえそうです。

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