能登半島地震の被災地では記録的な大雨で7人が死亡、女子中学生を含む7人が行方不明となっています。専門家は「能登の災害はひと事ではない」と指摘します。

石川県能登では、20日からの3日間に、平年の9月ひと月分の2倍以上の500ミリを超える記録的な雨を観測しました。各地で山肌がむき出しになり、崖くずれも発生。これまでに7人の死亡が確認され、今も7人の安否がわかっていません。

地質学が専門の鹿児島大学・井村隆介准教授は「土砂災害が多く発生したのには、ことし1月1日の能登半島地震も影響している」と指摘します。

(井村准教授)「土砂崩れが地震によっておこったところの下流域で流木の被害。地震に伴うがけ崩れがあって、そこに雨が降って流されたものだと判断できる。やはり地震の影響はあると思う」

地震の復旧を進める被災地を襲った豪雨に、住民は。

(住民)「せっかく復旧するようになってきたのに、またこういうことになって、ほんとに心が折れます」

地元のスーパーにも土砂や流木が流れ込みました。

(住民)「元日よりひどい。今、全部押し流されて、ものがひとつもない」

気象台は、日向灘の地震で震度5強を観測した大崎町では、大雨警報や土砂災害警戒情報の基準を通常の8割に引き下げて運用しています。井村准教授は、鹿児島でも地震の後の土砂災害に注意が必要と訴えます。

(井村准教授)「能登半島で起こったことは実はひと事ではない。鹿児島も8月8日に日向灘で地震がおこり、今も大雨注意報・警報の基準が下げられている。地震が起こった後は土砂災害が起こりやすい。だからこそ早めの避難をよびかける」

そのうえで、災害発生時には土砂災害のリスクや家族構成、時間帯など、それぞれの状況に合わせた行動をとれるよう考えることが大切と話します。

(井村准教授)「自然は無慈悲。いつ起こるかわからない。それにずっと備えていると生きていられないので、どこでスイッチを入れるかを考えることが大事。大隅半島は強い揺れがあったので、より早めに動かないといけないというのが、みなさんのスイッチにあるかどうか。自分で考える癖をつけるのが一番大事。それが能登半島のことを教訓にするということだと思う」

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