米軍・那覇軍港の移設先として埋め立てが計画されている浦添西海岸。
那覇軍港の移設予定地は、サンエー浦添西海岸パルコシティの目の前に、49ヘクタール・野球場10個分ほどの広さの港湾施設が建設される予定です。
今後埋め立てられる美しい海を写真にして後世に残したいと、写真集づくりに取り組む女性がいます。沖縄の海の環境教育や保全活動を行っている鹿谷麻夕さん。浦添の海の写真集づくりを企画しています。
▽鹿谷麻夕さん
「今年すごく暑かったので、沖縄じゅうの浅瀬のサンゴがものすごく白化しています。自然って、ずっとそのままじゃ無いんだよ、というのも皆さんに気づいてもらいたい」
「西海岸の今の写真。風景でもいいし、水中でも、人が遊んでいる様子でも、生き物でもなんでもいいと思っています。みなさん記録にとったものがあると思うんですね。そういう写真をみなさんから募集して本の形にまとめたいと思いました」
もう1人は、元港川自治会長の銘苅さん。銘苅さんが大学生の頃に、浦添の海で埋め立てが進みました。
▽銘苅全郎さん
「カワサギ、コサギ。昔はもっといたんだよね」「私が小学生くらいのころまでは漁場が豊かで、回遊魚もスクも来たしミジュンも来たし、定置網もやっていたし、追い込み漁もやっていた」
「昔遊んだ海が(今でも)あったらよかったな、という思いがある」
浦添の海の価値を見直したいと思った銘苅さん。地元の海の大切さを、鹿谷さんから学びました。
「宝が詰まっている海だと。(一見して)岩場であっても、岩場には岩場の生き物がいると。埋め立てたい人にとっては、普通の陸地と変わらんよね。でも、違う考えを持っている人にとってはやっぱり宝の海」
ふたりは、浦添の海を保全しながら活用する「里浜づくり」や、環境学習「カーミージー探検隊」の企画に19年間も取り組みました。港川小学校の生徒を対象に、浦添西海岸の生きものを観察する体験学習です。
▽鹿谷麻夕さん
「これが生きているサンゴです、茶色い所は生きています」「だから踏まないで欲しい」
こうした取り組みは、国をも動かしました。6年前に開通した西海岸道路は当初、海を埋め立てて道路を作る計画でしたが、地域の子どもたちのために、今ある自然を残していくことを訴え、計画は「埋め立て」から、一部、環境への影響が少ない「橋」へと変更されました。
▽鹿谷麻夕さん
「大きな埋め立て計画は、計画してからできるまでに、20年とか30年とか時間がかかるはずなので、今計画している人は、この埋め立て地を多分使わないです。使うようになるのは、今の子どもたちですよ。彼らに、沖縄の財産として何を残すのか。本当にこの海をどうしていったら良いのかをみんながちゃんと自分に問い直してほしいし、社会に問い直してほしいなと思います」
鹿谷さんは、写真集制作に向け、浦添の海の写真をエピソードとともに募集しています。今昔は問わず、どんな思いででもOK。締切は9月いっぱいだということです。詳細は、「里浜22」のインスタグラムなどで紹介されています。
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