8月12日、鳥取市の鳥取自動車道のトンネル内で車3台が衝突し3人が死亡する痛ましい事故がありました。
現場は「暫定2車線」と呼ばれるいわゆる対面通行区間。衝突事故を防ぐために「ワイヤーロープ」の設置が進められていますが、事故のあったトンネル内などにはなかなか設置することができないといいます。一体なぜなのでしょうか?

8月12日、鳥取市用瀬町の鳥取自動車道用瀬第一トンネルで、乗用車が対向車線にはみ出し、トラックと正面衝突する事故がありました。

この事故で、乗用車に乗っていた夫婦と、トラックに乗っていた男性、あわせて3人が死亡しました。

現場は片道1車線の対面通行で、将来的に4車線となることが計画されている「暫定2車線」と呼ばれる区間。


こうした区間では、車が対向車線にはみ出すことなどを防ぐために「ワイヤーロープ式防護柵」の設置が進められているのですが…


安松裕一 記者
「いま、事故のあった現場付近を通っています。トンネル内はワイヤーロープの設置はされていません」

実は、トンネル内にはワイヤーロープを設置することができないのだといいます。
一体なぜなのでしょうか?

国土交通省 鳥取河川国道事務所 計画課 足立正樹 課長
「トンネル内にはトンネルの地中部に排水施設などがあり、要はワイヤーロープのための支柱を打ち込むことができないので、トンネル内では設置はできないということです」

ワイヤーロープを支えるための支柱は、深いところで2.6メートルほど下まで打ち込む必要があり、トンネル内の地中部にある排水溝などの設備に影響がでる可能性があるため支柱が打ち込めないのです。

こうした状況を受け、NEXCO各社は長大橋梁やトンネルに、「センターパイプ」や低い壁状の区画柵「センターブロック」と呼ばれるワイヤーロープに代わる柵の設置を2021年から試行的に進めています。

センターブロック


国土交通省 鳥取河川国道事務 計画課 足立正樹 課長
「NEXCOの方で、どういう対策がいいかというのを試行的にやっていて、その検証結果を見て国の方でも、その内容を見て、対応を決めていくというような段階。

自動車専用道になると速度が出るので、前方を注意していただいて、速度を注意していただいて走行していただければと思う」

お盆のUターンラッシュもピークを迎えています。

ふだん運転に慣れていないドライバーによる交通量も増えるなか、とにかく慎重な運転を心がけることが大切です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。