島根県安来市の老舗醤油店が、このほど、おそらく全国初という会場を使い、ハードロックの一種、デスメタルのライブを開きました。
若者から中高年のファンのほか、近くのお年寄りたちもやって来て、目を丸くしながらも楽しんでいました。
安来市の矢田醤油店にこの日、大勢の人たちが集まっていました。
飲食ブースにも行列が出来ていますが、何か個性的な絵柄のTシャツを着た人が目立ちます。
建物に入って行ってみると。
激しいギターやドラムに、低音のボーカルなどが特徴のデスメタルのライブ。
ここは醤油の材料などを保管している倉庫で、照明は作業用の裸電球です。
矢田醤油店の3代目店主、矢田大典さん夫妻はデスメタル好きで、その趣味を生かしデスメタルをイメージした醤油やTシャツなどを作り、「メタル好きの醤油屋さん」として有名なんです。
矢田醤油店・矢田大典店主
「(結婚で)安来に来て今8年目なんですけど、来てからずっと鋼の街とか、何とかメタルとか会社があるので、ずっと、あっ、すっごいメタルの街だなと思ってて。いつかね、こういうことが出来たら面白いかなと思っておったのが、ついに実現したって感じです。」
メタル(鋼)とメタル(音楽)の融合というわけで、東京都内のレコードショップとの縁で、念願かなって今回、初開催に。
醤油の原料、大豆から「SoyDeathfest 大豆金属音楽祭」と銘打ち、出雲と東京から5つのバンドが参戦。
独特のデスボイスでボーカルが吠え、ギターが唸るようにかき鳴らされると、観客たちは体を激しく上下させてこたえます。
会場を覗いてみた近所のお年寄りは大きな音にびっくりしたよう。
市内のおじいさん
「大音響。耳がもう。」
近くのおばあさん
「私らには、なかなか分からないわ。でも良かった。聞いて。なかなか聞かれんもんね。」
一方、デスメタル好きという男性は。
松江からの男性
「お醤油のにおいの中で、何かとても不思議な感じで良いですね。最高です。たまらんデスっていう感じですね。」
山陰から出演したバンドのメンバーは、ファン層以外の人にも来てらえるイベントの開催を歓迎します。
MUGGY-S(出雲)のボーカリスト
「ライブハウスとかね、そういう小っちゃい所では出来たりするんですけど、こういう本当にオープンな感じで。後、地元の人も一杯来て、こういう楽しめる機会っていうのは本当、有難いと思います。(お年寄りには)初めての体験だったんじゃないかと思いますけど。若い人やつは頑張っちょらえわ位な、はは。そんなノリだったら有難いスね。」
Seeping Protoplasm(東京)のドラマー
「私、地元島根でございまして。(歓声・拍手)最高の仲間を連れてね、帰って来ることが出来て、本当に有難うございます。」
トリで出演したバンドのメンバーは地元出身で、これが凱旋公演に。
実は先ほどのおじいさんは、この孫の演奏を見に来たとのこと。
市内のおじいさん
「見ました。初めて。もうびっくりしました。東京に出たということは聞いてるけど、こういう音楽をやってるというのはね、初めて見て。頑張って、この道を進んでもらいたいと思うだけです。」
半日のライブで地元客を含め約100人が訪れ、デスメタル愛を深めました。
矢田さんも満足げです。
矢田醤油店・矢田大典店主
「反響が良ければ是非、来年、再来年みたいな形で継続して、こういうことが出来て行けたらな、行けたら良いなと。年に1回出来たら良いですね。ははは。」
2つの意味で安来が「メタルの街」になる日は近そうです。
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