鳥取県内の空に、縦に伸びる巨大な青い帯を目撃したという情報が番組に複数寄せられました。この青い帯の正体は一体何なのでしょうか。

夕暮れ時の空に現れた謎の「青い柱」

こちらが視聴者から届いた写真です。

夕暮れ時の空に、まっすぐ上へと伸びる巨大な青い筋。
鮮やかな青色の筋は、オレンジ色に染まった西の空に広がる雲の向こう側から伸びているように見えます。

これらの写真は、9月14日土曜日の午後6時半頃~6時45分頃の間に、鳥取県米子市内で撮影され、「青い渦巻」「水色の柱」「青い光?虹?」など様々な予想や感想とともに視聴者から届きました。

目撃した人は
「散歩していると空に青い線が入っていたので、これ地震雲かなとか、それとも新しい宇宙兵器なのか、UFOからの飛来なのかと考えながら見ていたんですけど、よく分からないのでとりあえず撮影してみようと」

神秘的で幻想的な光景。
撮影者によると、しばらく経って改めて見てみると、空が暗くなっていて、青い筋も見えなくなっていたそうです。

目撃した人は
「全く写真と同じ本当に濃いブルーの一本の筋がスーッと入っていた。私も長年生きてきたなかで初めて見た空だった」

「青い帯」の正体は?専門家に見てもらうとー

この青い筋の正体は何なのか。
鳥取地方気象台に問い合わせてみると…


鳥取地方気象台 山本高男 防災管理官
「『薄明光線』といわれるものになると思います。太陽の光が雲のすき間を抜けて、それが水滴とかに当たってできる現象です。

太陽が上の方にあって下の方に向かって、雲があったりすると、雲のすき間を抜けて光るようなものもありますし、今回のような夕方であると、逆に太陽が下の方にやってくるので、それが雲を抜けて上の方にこういった柱のような形で見えます」

これは「薄明光線(はくめいこうせん)」と呼ばれる気象現象とのこと。

早朝・もしくは夕暮れ時の「薄明」の時に見られ、雲のすき間から太陽光が漏れる現象で、「天使のはしご」とも呼ばれています。

正体は「薄明光線」発生の仕組みは?

また、石川気象予報士によると、詳しい仕組みはこうです。

薄明光線の仕組みイメージ


「薄明光線」は雲の切れ間や端から漏れた太陽光が大気中の微粒子に当たって光線のように見える現象です。

薄明光線仕組みイメージ


今回のケースでは、雲の塊により太陽光が遮られ、影になった部分が青くみえたとみられます。

夕方の「薄明光線」は、積乱雲ができやすい夏場によく見られる現象ですが、ここまで青色の柱がくっきりと現れる光景は、石川気象予報士もこれまでに見たことがないとのこと。

米子の空に現れた珍しい幻想的な光景。9月中旬に夏の現象が起きたことも今年の残暑の異常さを現わしていると言えそうです。

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