北海道内の小中学生の体力や運動能力に関する調査結果が発表されました。

一部に改善の傾向が見られますが、依然、全国平均より低い状況が続いています。

 北海道教育委員会が行った調査は、北海道内の公立学校の小学5年生と中学2年生、およそ7万人を対象に実施されました。

調査は、握力や立ち幅跳びなど、8つの種目の実技で80点満点となっています。

その結果、小中ともに8つの種目の測定値を合わせた「体力合格点」は、今年も全国平均を下回りました。ただ、小学生の男女では、改善の傾向もみられます。

 実技別では、例年と同じく今年も「握力」が全国平均を上回りましたが、「上体起こし」や「20メートルシャトルラン」など3種目は、小中の男女ともに全国平均を下回りました。

また、運動習慣の項目では、体育の授業以外の1週間の総運動時間について「0分」と答えた中学生が、全国平均より3.6から3.9ポイント高くなりました。

さらに、生活習慣では平日のスマホの利用時間が、いずれも全国平均を4.2ポイント以上、上回りました。

 この結果について専門家は―。

北海道教育大学 中島寿宏教授(教育心理学)
「特に北海道は冬季、外で遊ぶ時間が持ちづらい影響が、ほかの地域より強く出ている。ゲームの時間が長い子は、体育の授業で課題を解決したり、目標を持ってやっているポイントが低い傾向がある」

運動能力の向上には、子どもたちが主体的に楽しみながら、運動ができる環境が必要と話します。

北海道教育大学 中島寿宏教授(教育心理学)
「放課後、みんなで運動して楽しむ部活動もある。いろいろなアプローチが考えられている。運動や体育の価値、楽しさをしっかり授業でも、学校外でも取り組むことが必要」

 北海道教育委員会は、調査結果を分析して体力向上につなげるとともに、生活習慣の改善に向けスマホの使い方や食事など、家庭での協力も呼びかけています。

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