秋祭りのシーズンを迎えていますが、長野市の神社では16日夜、見どころの一つでもある花火が奉納されました。
花火をあげるのは地元の住民たち。
100年以上続くと言われる伝統を受け継ぐ、煙火会に密着しました。
長野市・加茂神社(かもじんじゃ)の花火。
中心市街地に近い西長野にある神社では、毎年、9月16日と17日に秋祭りが行われ、花火は多くの人が楽しみにしています。
担当するのは、住民などの有志およそ20人でつくる「加茂煙火会(かもえんかかい)」の会員です。
祭りの前日、神社のすぐ近くにある信州大学のグラウンドでは打ち上げ花火の準備が行われていました。
「加茂煙火会」の会長を務めるのは岡本英敬(おかもと・ひでのり)さん53歳。
西長野に生まれたからには花火に関わりたいと28年前に会に入りました。
「加茂煙火会」の歴史は古く、町の記録には、1906年・明治39年に発足し、以来、毎年花火を奉納してきたとあります。
加茂煙火会 岡本英敬会長:
「伝統的にやっている花火なので、伝統を絶やさないようにというところが一番です」
迎えた当日。
朝方は雨が降ったものの、午後になると祭り日和となりました。
神社の境内で行われる仕掛け花火の作業も大詰めを迎えていました。
加茂煙火会 岡本英敬会長:
「境内の花火で一番華があるとすれば木の上から垂れる滝になるんですけれども、山から切り出してきた竹を信州煙火工業の指導の下、中に火薬を詰めて、それを自分たちで点火して奉納させていただいている」
子どものころから目の前で打ち上げられる花火を見てきた会員たち。
大人になって今度は自分たちが祭りを盛り上げようと、仕事の合間を縫いながら準備を進めてきました。
岡本会長:
「間近で見てくださっている方々の歓声や応援もありますし、子どもたちが喜んでいる顔を見ると続けてきてよかったなと思います」
夕方になると始まるのが、煙火会が氏子の家をまわる「町回り」。
玄関先で掛け声に合わせて木遣りが唄われたあと、迎え入れた住民が飲み物などを振る舞います。
特徴の一つが、氏子の家のために打ち上げられる花火です。
西澤区長:
「いよいよ秋祭りだなとそんな感じになりますよね。今みたいに若い人が大勢祭りを盛り上げてくれるのは非常にうれしいことです」
町回りを受けた家の子ども:
「楽しかった。すごかった」
「また来年もやってほしいです」
町内にはこども神輿やお囃子なども出て祭りを盛り上げます。
暗くなるころには、この日を心待ちにしていた子どもたちなどが、境内に続々と集まってきました。
コロナ禍では縮小されていた縁日も完全に復活し、にぎわいが戻っています。
訪れた人は:
「ここまで近い花火を見られるのはここだけだと思っていて、(小さい頃から)ずっと来ていて、今子どもと来るのがすごく楽しみです」
訪れた人は:
「加茂神社は地域の産土(うぶすな)の神社ということで地域の人がとても大切にしている。小さい子どもたちも楽しみにしているし、とてもいいことだと思います」
午後8時すぎ。
地区内を回っていたお囃子などを迎えるため花火が始まります。
合図で火がつけられると参道を花火が彩り、その間をお囃子が通ります。
岡本会長:
「祭典の方々が入ってくる時に、なるべくにぎやかにできるようにってところで、心がけてやっているところはあります」
そして、境内での仕掛け花火の一番の見せどころ・・・
およそ13メートルの高さから降り注ぐ滝です!
午後9時、信州大学のグラウンドに移動していよいよフィナーレの打ち上げ花火が始まります。
すぐ近くで打ち上げられる迫力ある花火に観客も歓声で応えます。
加茂煙火会 岡本英敬会長:
「無事終わってホッとしました。皆さんがほんとに喜んでもらえればそれで本当に充実感が味わえるので、最後歓声が上がって本当に良かったです。来年もいい花火を見せられるようにまた頑張っていきたいと思います」
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