「東海道・山陽新幹線」記念すべき2024年度 50年前に何があった?

来年3月10日で、東海道・山陽新幹線は「東京-博多全通50年」を迎えます。

RSK山陽放送(1953年創業)は71年に渡る放送の歴史の中で、新幹線に関わる数多くの貴重動画を保存していて、「RSKイブニングニュース・YouTubeチャンネル」では、再生リスト「新幹線・貴重映像大集合」にてそのうち38本の動画を公開しています。

RSK山陽放送では、38回シリーズ(予定)で、その内容を画像を交えてインターネット記事として紹介していきます。

15回目は「WIN350」試乗会 記者が車内も拝見「500系新幹線」の原型(1995年10月20日放送)です。

WIN350 運転席を真横から見たら「四角い!!」

ここまで2回にわたって配信してきた、新幹線500系の原型とも言える「WIN350」。ついにその乗り心地を確かめるべく、RSK山陽放送の記者が乗り込む日がやってきました。

【画像①】のプラットホームは、真上に天井がある構造から、広島駅と推察されます。そこにたたずむ、異様な新幹線車両。。。

博多方面の先頭車両は、新大阪方面とは異なる「キャノピータイプ」です。ちょっと「500系」の面影があります(そもそもこの車両は「500系900番台」だそうです)。

【画像①】

でも、横から見たら全然「500系」ではありませんでした。出っ張った運転席部分、四角ッ【画像②】!これがプラモデルなら、ここからやすりがけしていったら、いずれ500系になりそうな雰囲気は持っています。

【画像②】

当時の原稿には「車両の先端はジェット機のように伸び、パンタグラフも翼の形をしたものに変え、空気抵抗と騒音を大幅に減らしています」と記されていました。そうか、当時はこれでも先頭車両が「伸びていた」と映っていたんですね。

そして【画像③】こそが、のちのち500系新幹線でも導入される「翼型パンタグラフ」です。

【画像③】

「頭上注意」な車内に潜入(許可を得て)してみると。。。

さぁ、いよいよ記者がその車内へ。手書きと思われる「頭上注意」がなんとも味わい深いです【画像④】。大学の研究室みたいなこの車両は、確かに今にも頭が当たりそうなほどに天井が低いです。

【画像④】

その車内では、おそらく揺れなどのデータを解析する職員の方が集結しておられました【画像⑤】。

「WIN350」は、1992年6月から2年半で17万キロの試験走行を行ってきていたということで、その開発の大きな使命は「騒音を下げること」さらには「時速300キロで安定して走れるようにすること」だったそうです。

【画像⑤】

最高時速300kmが実現すれば、JR西日本の「新大阪~博多間」をこれまでの最速の「のぞみ」に比べ14分早く2時間14分で結ぶとあって、当時の同区間の航空機との顧客獲得競争で、かなり有利に働くチャンスを秘めていたのです。

ちなみにこの時の日本国内での営業運転での最速は、上越新幹線で出した「時速275km」でした。

運転席 狭そう!

さぁ、そのスピードはこの日何キロまで上がるのが。当時は恒例の「運転席にお邪魔します取材」も行っていました。

【画像⑥】

運転席、外から見たらすごく狭そうでしたが、実際に中に入ってみると。。。実に狭そうだ【画像⑥】。

そして運転席のフロントガラス的な部分もめちゃくちゃ小さい!【画像⑦】。試験車両ですし、それは何か意図があってのことだと思います。

【画像⑦】

あっという間に時速300キロに到達!

そんな中、今回も映し出されていた速度メーター。もういきなり時速299キロ出ていました【画像⑧】。

その目盛りは、「WIN350」らしく時速350キロまで表示されるようになっていて、見える限りでも時速395キロくらいまで計測できるようになっています。

【画像⑧】

そして時速300キロに到達【画像⑨】!当時はこのとき既に最高時速350.4キロを記録していたそうです。

気になる乗り心地・・・記者の感想は?

さぁ、その高速走行を初体験した記者の感想はどうなのでしょうか?

【画像⑨】

(寺元幸子記者)
「徐々にスピード上げていた車両なんですが、最高時速300.7kmを先ほど記録しました」

「乗り心地ですが、座席に座っていますと270kmの『のぞみ』と比べてもほとんど横揺れというものは感じられません」

【画像⑩】

逆に言うと、当時の300系のぞみは時速270キロでの走行でも横揺れがあった、ということなのかもしれません。300キロまで上がっても、乗り心地は抜群のように見受けられました。

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