東日本大震災では、地域住民だけでなく数多くのペットも被災しました。次の災害に備え、ペットとの避難や防災対策について取り組んでいるNPO法人の活動について取材しました。
ペットの備えは飼い主の責任
仙台市太白区に住む秋田犬の詩と、飼い主の後藤美佐さん(58)です。後藤さんはNPO法人「エーキューブ」で、動物とのふれあいの場を作ったりペット防災の啓発活動を行ったりしています。
特定非営利活動法人エーキューブ・後藤美佐会長:
「『ペットの備えは飼い主の責任です』というのをきちんと啓発していかないといけない」
13年前の東日本大震災では、仙台市や獣医師会と協力して、各地の避難所でペットに関する情報収集や物資の配布などの支援を行いました。
特定非営利活動法人エーキューブ・後藤美佐会長:
「(当時)避難所によって、ペットを飼っている方たちの置かれている環境はさまざまでした」
震災当時ペットの居住スペースは…
環境省によると、県内で震災当時ペットの居住スペースが設けられたのは、7つの市町村。多くのペットは、車中避難や屋外での飼育を強いられました。
特定非営利活動法人エーキューブ・後藤美佐会長:
「これでは飼い主が責任を持てない。校舎の隅の方で見ててくださいという態勢であると、どうしても飼い主の目が届かなくなってしまう」
震災後、県内の市町村では災害に備え防災計画の見直しが進められました。
tbcの取材によりますと、県内35市町村のうち、22の市町村が避難所にペットの居住スペースを設けることを定めました。
ペットとの避難に不安が…
災害時のペットの避難や防災対策について飼い主は…。
飼い主:
「フードは買い置きがあります。(Q、避難が必要な場合は?)(避難時は)車にいるしかない」
「ペットが避難所でどういうエリア分けになるかとか今きちんと把握していない。それが気になる」
こちらの男性は震災時、愛犬とともに車で東京に避難しました。
飼い主:
「私はもう年をとってしまったので、自由に動けないから。人を頼るしかない」
多くの飼い主がペットとの避難に不安を訴えました。
自治体がペットとの避難に対応
ペットとの避難について対応に乗り出している自治体もあります。
今年6月、利府町で地震や火災などを想定し行われた避難訓練。飼い主とともにペット14頭も同行し、速やかにケージに入り避難する練習をしました。
利府町役場危機対策課・鈴木薫消防防災指導員:
「ペット同行避難の人は車中避難になっている現状。その中でペットと飼い主も具合を悪くしたり。今後はそういったことのないようにするために」
一方、訓練ではペットを受け入れる避難所運営の課題も浮き彫りとなりました。
利府町役場危機対策課・鈴木薫消防防災指導員:
「3名の町職員が受付担当に当たった。なかなか大変ですよね。1つの避難所に何名の職員が配置できるかということが今後の課題」
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