台風13号は14日にも奄美地方を通過へ その”次の台風の卵”発生か

台風13号は13日夜には南大東島の東南東の海上にあって時速35キロで北西に向かっています。中心気圧は992ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートルです。これまでのところ数日前に予想されたほどは発達はしていません。

上空9500メートル付近の寒気&風の流れ
上空5800メートル付近の等高度線&地上付近の風の流れ

台風13号がこれまでに予想ほど発達しなかったのは上空の非常に高いところ(上空9500メートル付近)にあった寒気を伴った低気圧(=上層寒冷低気圧=UCL)の影響を受けていたのも要因の一つとみられます。このUCLは-30℃以下の寒気を伴っていますが、上層の風向きと仮想の風向きが異なり風の鉛直シアが大きかったことなどにより、台風の発達が抑えられたとみられます。

台風13号の進路予想 気象庁(JMA)

UCLは14日以降は次第に解消していくため、台風13号は次第に発達して暴風域を伴うようになります。奄美地方を通過して大陸方面へと向かう予想です。

【画像で確認】台風13号通過後 “次の熱帯じょう乱”も要注意 19日(木)までの雨・風シミュレーション

海外予報モデルも台風13号を発達させながら奄美を通過予想

台風13号の進路予想 アメリカ海軍(JTWC)


台風13号の進路予想 アメリカ海洋大気庁(NOAA)


台風13号の進路予想 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)

アメリカやヨーロッパモデルも気象庁の進路予想と同じような予想となっています。今回の台風13号は気象庁の進路予想の予報円はそこまで大きくはありませんが、海外モデルのアンサンブル予報の結果みても進路のブレ幅はそこまで大きくありません。今回の13号の予想はわりとそろっていえると言えます。

次の“台風の卵”が北上予想 “次の3連休”以降に日本へ影響か

台風13号よりも南の太平洋上をみると、フィリピンの東海上から東に向けては雲が目立つエリアがあります。このあたりの雲域では次第に雲がまとまって熱帯じょう乱となる可能性が出てきています。

15日(日)9時の予想天気図では、日本の南の海上に2つの低圧部が発生すると予想されています。これらの低圧部で雲がさらにまとまって低気圧性の循環が強まれば熱帯低気圧や台風になる可能性が出てきます。

【画像で確認】台風13号通過後 “次の熱帯じょう乱”も要注意 19日(木)までの雨・風シミュレーション

週間予報の支援図をみると、沖縄の周辺の海上にLマークがついています。熱帯じょう乱が存在する可能性を示しています。

ヨーロッパモデルも熱帯低気圧の発生を示唆 沖縄周辺へ北上予想

ヨーロッパ中期予報センターでは、ある予想時刻の48時間以内に、その場所から300キロ以内に熱帯低気圧が通過する可能性を確率で公表しています。

この3連休に台風13号が南西諸島を通過して大陸方面へと向かったあと、日本の南の海上で熱帯低気圧が発生する確率が高くなっているエリアが現れています。これは13号の次に別の熱帯じょう乱が発生する可能性を示しています。

【画像で確認】台風13号通過後 “次の熱帯じょう乱”も要注意 19日(木)までの雨・風シミュレーション

この熱帯じょう乱は次第に北上して20日朝には沖縄周辺の海域に北上する可能性を示しています。

来週末の“次の3連休”に影響か 気象庁やアメリカ予報機関の予想にも

それでは気象庁、アメリカ海洋大気庁、ヨーロッパ中期予報センターのアンサンブル予報モデルが予想した20日(金)朝の計算結果の一覧を見てみましょう。

気象庁(JMA)


アメリカ海洋大気庁(NOAA)


ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)

アンサンブル予報の結果一覧をみてもわかるように、1週間先にどこに熱帯じょう乱が北上するかについては、まだ予報にかなりのブレ幅あるため確定的なことを言える段階ではありません。

ただ気象庁、アメリカ、ヨーロッパの3つの予報機関ともに、来週前半には日本の南の海上で何かしらの熱帯じょう乱が発生する可能性を示唆しています。場合によっては来週末からの“次の3連休”に影響を与える可能性もあるのでご留意ください。

【画像で確認】台風13号通過後 “次の熱帯じょう乱”も要注意 19日(木)までの雨・風シミュレーション

また秋雨前線が南下してくる予想もあり、アンサンブル予報の結果にも日本付近に前線による降水域を予想しているデータもみられます。本州付近では秋雨前線によるまとまった雨となる可能性もありますので台風の動向だけでなく秋雨前線の動きにもご注意ください。

※台風の最新情報については気象庁発表する台風情報をご確認ください

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