富山湾の冬の味覚「ベニズワイガニ」。昨シーズン能登半島地震の影響で、記録的な不漁となった新湊漁港で、10日、例年より1週間余り遅れて初競りが行われました。果たして地震の影響は…。

島津アナウンサー:「今ベニズワイガニを乗せた船が港に戻ってきました。このあと、いよいよ今シーズン初の水揚げが行なわれます」

新湊漁協では、例年9月2日ごろに初競りを行っていましたが、今シーズンは、気温の高い日が続いたため、カニの鮮度を保つのが困難だとして初競りを1週間あまり遅らせました。初日は新湊漁協に所属する4隻のうち3隻が出漁。地震でカニ籠が流されるなどの被害を受けた塩谷久雄さんの船は、午前8時45分ごろ漁を終えて港に帰ってきました。

塩谷久雄さん:「きょうのカニは小さい。小さいということはその近辺にカニがいないということ。深い方がまだカニの入りが良かったから沖の深いところで漁をしたい」

元日の能登半島地震で富山湾内では海底地滑りが発生。富山大学などの研究チームの調査によりますと、海底地すべりの影響でベニズワイガニの餌となる生物が埋もれるなど生息環境が悪化したため、別の場所へ移動したのではないかということです。新湊漁協での漁獲量は前のシーズンの3割ほどに激減しました。猛暑の影響も受けた今シーズン。初日はどれくらいのカニが水揚げされるのでしょうか?

塩谷さんの船で水揚げされたのはおよそ240匹。少なかった昨シーズンの半分だったということです。しかし、今日出漁したその他の2隻の船もあわせると、初日の水揚げは約1900匹とまずまずのスタートとなりました。

そして、甲羅の幅が14センチ以上、重さが1キロ以上のベニズワイガニを最上級のブランド「極上・高志の紅ガニ」に認定していますが、初日は3匹が、極上のタグ付きのカニに選ばれました。

仲買人:「まだ暑いですけどお客さんがほしいと言われるんで、求められたら提供したい」

仲買人:「たくさんあります。安かったですね。お店の人も喜ぶと思います」

ベニズワイガニ漁は来年5月までで冬にかけて最盛期を迎えます。

初日は出遅れた塩谷さんですが、これからの漁の巻き返しに期待を寄せます。

塩谷久雄さん:「人間のできることは限られとるからね。シーズン始まったばかりだし、だんだん冬に向かっていくから。試行錯誤を繰り返して考えながらやっていかなければと思ってます」

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