長崎で原爆に遭い、国が定める地域の外にいた「被爆体験者」の一部を「被爆者」と認めた判決を受け、広島の「黒い雨」訴訟の原告らが9日、会見しました。

この裁判は、国が定める被爆地域の外で「放射性微粒子」を浴びて被ばくしたと訴えている「被爆体験者」44人が、長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付を求めていたものです。

長崎地裁は、被爆者と認めるには「合理的根拠や、一定の科学的根拠が必要」とした上で、当時の風下にあたる東長崎地区で原爆にあった15人のみ、被爆者健康手帳の交付を命じる判決を言い渡しました。

長崎「被爆体験者」訴訟 弁護団長 岩永千代子さん
「(認定地域が)分断されたということですね。これについて本当に意味不明ですよね」

判決を受けて9日、「黒い雨」訴訟の原告や弁護団などが会見しました。

長崎の判決では、「黒い雨」を巡る広島高裁判決では求めなかった「科学的根拠などが必要」とした点や降灰は放射性物質と認めないと判断したことなどから、出席者は「広島判決から後退している」と批判しました。

「黒い雨」訴訟 原告団長 岡久郁子さん
「本当に怒りでいっぱいという気持ちがします。必ず勝利を勝ち取って長崎と一体になって原爆の被爆者問題を決着させたい」

「黒い雨」訴訟 弁護団 竹森雅泰 弁護士
「ずっと分断、分断の繰り返しなんですね。もう来年は被爆80年。いつまでこういうことを繰り返しているのだと」

出席者は、「国は政治決断して裁判を終わらせるべきだ」と訴えました。

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