東京都葛飾区の自宅で上智大4年の小林順子さん=当時(21)=が殺害された事件は9日、未解決のまま発生から28年となった。父親の賢二さん(78)は区内の京成柴又駅前で通行人に情報提供を求めるチラシを手渡した。

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 事件現場での献花式では「毎朝仏壇に、今日こそ事件を解決するよと心の中でつぶやく。近隣の人も引っ越したり亡くなったりして情報が集まらない。ささいな情報でも寄せてほしい」と願った。

京成柴又駅前で、情報提供を呼びかける小林賢二さん=9日、東京都葛飾区で

 8日には、大学のサークル活動で中学生に英語を教えていた順子さんの教え子2人が、初めて現場を訪れた。新潟県内の放送局で働く斎藤拓也さん(45)は「おかげで英語が得意になったという感謝と、一刻も早い解決を願っていますと順子さんに伝えた」といい、同級生の丸山亮太さん(45)は「ずいぶん時間がたったが、ようやくお参りに来られた」と語った。  事件は1996年9月9日夕に発生。自宅に1人でいた順子さんが、首などを刃物で複数回刺されて死亡し、室内に放火された。犯行時間帯、現場近くでは黄土色っぽいコートを着た、身長160センチ前後の不審な男が目撃されている。解決に結びつく情報提供者には最大800万円の懸賞金が支払われる。情報は亀有署=電03(3607)0110=へ。(米田怜央)

献花式で順子さんの遺影を前に事件解決を願う小林賢二さん=9日、東京都葛飾区で

現場にある地蔵に手を合わせる斎藤さん㊧と丸山さん=東京都葛飾区で



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