2023年の小学生のロボコン=ロボットコンテストの全国大会で優勝した男子児童が塩尻市にいます。
古田渉留(ふるた・わたる)さん11歳。
ロボットは「友達」と話す渉留さん。
全国大会連覇に向けての挑戦を追いました。


ロボットをコントローラーで操作する塩尻市立吉田小学校6年生の古田渉留さん。

ロボットは渉留さんが1人で組み立てました。

渉留さんは、2023年8月の「小学生ロボコン長野予選会」に初めて出場。

「最優秀賞」を受賞し、全国大会の切符を手にしました。

迎えた全国大会は団体戦で行われ、県外の2人とチームを組み、見事日本一に輝きました。

古田渉留さん:
「本当に優勝したのかという気持ちです」
「そのあとにすごかったんだなと、すごくうれしく(思いました)」

渉留さんをサポートするのが父親の幸弘(ゆきひろ)さんです。


渉留さんのために大会とほぼ同じサイズのロボットを操作できるフィールドも作りました。

父・幸弘さん:
「(渉留さんは)ロボットに向き合うと目がキラキラしている」

もともと、小さいころから身近なもので物を作ることが好きだった渉留さん。

父・幸弘さん:
「私が保育園に迎え行くと、袋いっぱいに段ボール工作とかそういった物を持ち帰ってくる」



2023年7月に市内で開かれたワークショップに参加したのが、ロボットとの出会いでした。

次第にその魅力に引き込まれていきます。

古田渉留さん:
「(ロボットの存在は)一緒に頑張ってくれる友達みたいな」
「緊張すると、ロボットを前に進めようとするとがたがたする。そういうのを見て一緒に頑張ろうとしてくれているのかな」

連覇がかかる今年の大会。

最初の関門となる予選会が迫ってきました。

大会のおよそ1か月前、ロボットの製作に取り組む渉留さん。


部屋に部品を広げ、まずは、タイヤなどロボットの基盤を作ります。

そして2週間後。

ロボット内部に取り付ける滑車の製作に取りかかります。

古田渉留さん:
「鉛筆とかを持ち上げるためには力が必要なので、滑車を使ってスムーズに上げられるようにしました」

そして、大会のおよそ1週間前。

「ロボットが完成しました。予選会頑張ります!」


名前は「ロボ消しくん」と名づけました。

完成したばかりの「ロボ消しくん」の動作を確認してみると…。

なかなか思うようには動きません。

自分的には何点くらい?
「40点くらい」
「タイヤが外れて横の溝に糸が絡まってしまって、これが下に下がらなくなってしまいました」

のこぎりなどを使って本番に向けて調整が続きます。



そして迎えた8月31日の本番当日。

全国連覇に向けて、まずは予選会。

県の内外から小学3年生から6年生の10人が集まりました。

古田渉留さん:
「足が震えてて、緊張しています」
「負けちゃいそうだなとか思って」

競技は縦70センチ、横140センチのフィールドで行います。


3つのゾーンに色分けされ、スタートゾーンには、ボックス。

ランゾーンには、鉛筆5本、消しゴム10個が配置されています。

それをロボットで、ゴールゾーンまで運んだり、ボックスに入れると、得点が入ります。

そして、ゴールゾーンの先にある台の上にボックスを乗せると、さらに加点されます。

ロボットのデザインや動き方も評価対象になっていて、総合得点で競います。

いよいよ渉留さんの出番がやってきました。

「3・2・1・スタート!」

この1週間で乾電池50本以上を使って練習を重ねてきました。


巧みな操作で消しゴムや鉛筆を運び・・・

台の上にボックスを乗せることにも成功しました。

笑顔で終えることができました。



古田渉留さん:
「思い通りにできたと思います」

渉留さん、力を出し切りました。

全国大会への切符はつかめるのでしょうか?

結果発表です。

審査員:
「最優秀賞…古田渉留殿」

見事、最優秀賞を受賞し、全国大会出場を決めました。

父・幸弘さん:
「本当に(台の)上に乗せられなくて悩んで投げ出していた。やっぱりその辺の悔しい気持ちも結果に残せてよかったんじゃないかなと思います」


古田渉留さん:
「すごくうれしくて、とりあえずこれまで作ってきてよかったなって思います」
「(全国大会は)チームの人たちと協力して優勝目指して頑張ります」

11月に行われる全国大会。

親しみをこめて「友達」と呼ぶ「ロボ消しくん」とともに連覇に挑みます。

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