企業の屋外広告などで活躍する「ネオンサイン」。
部屋のインテリアなどにも取り入れられ、「エモい明かり」として根強い人気があります。

しかし、そのネオンサインに時代の波が押し寄せています。
消えゆく明かりとなるのか?
ネオンサインの今を取材しました。

夜の巷でもおなじみの明かり「ネオンサイン」。
1900年代初頭のパリ万博で初めて公開され、日本では1926年から普及していきました。

そのネオンサインが、いま時代に淘汰されようとしています。

鳥取県米子市内のボーリング場。
こちらでは、外壁の装飾や、店名の表示にネオンサインを使用しています。
ところが…

クイーンボウル 河津孝彦 支配人
「大体32、3年経過してる代物にはなりますね。修理は何とかなるんですけど、新しく購入となるとやっぱり 費用も結構かかるのとなかなか販売が少なくなってるというのもあって、うちの方としては壊れたらLEDとかに交換をする予定にはしてます」

ネオンサインは、ガラス製の管の中にネオンガスやアルゴンガスを封入し、高圧電流を流すことで発光します。
電球や蛍光灯、LEDなどと違い、周囲をふんわりと広く照らすことが出来、そのガラス管の曲線と相まって、親しみやすく、人間的な明かりに感じられます。

河津支配人によると、ネオンサインは取り扱う業者も少なくなっていて、初期投資、整備費用もかさむといいます。

クイーンボウル 河津孝彦 支配人
「現状としては壊れるまでは使いたいなというところがありますね。ただLEDに変えた方が安くはなるだろうとは思いますので、いずれは…」

こちらでも館内や駐車場の照明はLED化が進んでいます。

実際、ネオンサインとLEDでは点灯時間の寿命が大きく違います。
製品により差はありますが、ネオンサインがおよそ3万時間、LEDがおよそ4万時間と、1万時間も寿命に差があるというデータもあります。

ネオン管を取り扱っている企業などが加盟する業界団体に、現在のネオンサインがおかれる状況について伺いました。

公益社団法人 日本サイン協会 小野利器 専務理事
「蛍光灯みたいに昔からあるもので 非常に風情があっていいものなんですけども、やはりこれも蛍光灯と一緒で、単なる光源とみますとLEDにとって代わられていると」

日本サイン協会によると、近年はネオンサインに使用するガラス管を曲げられる職人が少ないことや、需要が下がっていることなどから、ネオンサインは存続の危機を迎えているといいます。
こうした状況を何とかしようと、日本サイン協会では、若手の職人に向けた講習なども行っているといいます。
そのかいもあってか…

公益社団法人 日本サイン協会 小野利器 専務理事
「若い人でネオンを曲げる技術を習得しようっていう人が結構目立ってきてますので、技術を習得すればまたちょっと違ったネオンの使い方っていうのが今後若い人を中心に出てくるのかなっていうのも期待できますね。」

「明かり」は単なる光源ではないはず。
独特の表情を持つネオンサインも、私たちの生活を彩り続けて欲しいものです。

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