「主人がいつもお世話になっております」「奥様はお元気ですか?」―あなたは自身や他人の配偶者のことを、人前で何と呼んでいますか?
時代の移り変わりとともに、これまでも度々議論になってきた「配偶者の呼び方」ですが、果たして正解はあるのでしょうか?

「自分の配偶者」どう呼んでる?

街の皆さんに聞きました。
自分の配偶者のことを、人前で何と呼んでいますか?

「ずっと『夫』と呼んでます」(30代・女性)
「元々『嫁』って言ってたんですけど、同僚に『妻の方が丁寧だよ』と教えてもらってからは『妻』と言ってます」(20代・男性)
「目上の人の前では『主人』、友人の前では『旦那』ですね」(50代・女性)
「うちの『奥さん』って言ったりする」「僕は『家内』です」(60代・男性)

年代によっても様々ですが、女性であれば『妻』『家内』『女房』『嫁』など、そして男性であれば『夫』『主人』『旦那』など、あらゆる呼び方があることがわかります。

「他人の配偶者」の呼び方に“ある傾向”

次に、他人の配偶者についてはどう呼んでいるかも聞いてみました。

「『奥さん』『旦那さん』ね。『ご主人』も言ったりするかな。」(60代・男性)
「『旦那さん』、女性であれば『奥様』『奥さん』かな」(60代・女性)
「親しければ名前で呼びますけど、そうじゃなかったら『奥さん』『ご主人』」(50代・男性)
「『ご主人』『奥様』って言ってしまう、本当はあまり呼びたくはないんですけど…」(30代・女性)

自分の配偶者を指す言葉に比べると、皆さんぐっと選択肢が狭まった印象です。
そして、「適切な呼び方が見つからない」という悩みも聞かれました。

配偶者の呼び方問題、専門家は…

「過去25年ぐらいの間に、自分のパートナーを人前でどう呼ぶかっていうのがすごく大きく変化しています」

そう話すのは、言語学やジェンダーが専門の、関東学院大学・中村桃子教授です。

関東学院大学 中村桃子教授

関東学院大学経営学部経営学科 中村桃子教授
「2000年ちょっと前ごろは、一番多かったのが『主人』と『家内』という呼び方だったんですけど、現在は『夫』と『妻』が一番多い。
『主人』『家内』という言葉は主従関係を表してしまうので使いたくないっていうのが一般的な流れとして1つあります。」

中村さんによると、『主人』『旦那』『亭主』といった呼び方は、古い時代の主従関係を引きずっている言葉。
また、『家内』『奥さん』も「家の中(奥)にいる」という意味合いで、今は「そういう言葉で呼ばれたくない」と感じる女性も増えているといいます。

関東学院大学経営学部経営学科 中村桃子教授
「例えば、あるタレントさんがパートナーのことを『嫁』と言って、ネットで炎上したことがありました。
その人にとっては当たり前だけれど、他の人はその言葉から色んな意味を読み取って嫌悪感を抱くこともある。自分のパートナーをどう呼ぶかっていうのも結構難しいところがあります。」

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