新潟県内に住む70代の女性が今年5月下旬から6月中旬までの間に、警視庁の警察官や検事を名乗る男らから、合わせて6600万円をだましとられる特殊詐欺(オレオレ詐欺)の被害に遭っていたことがわかりました。今年1月以降、新潟県内のオレオレ詐欺の被害額としては最も多いということです。
「捜査のために口座をすべて教えてください」と言われ…
警察によりますと、今年5月下旬に70代女性の自宅に実在する通信事業者の職員を名乗る男から「あなたの電話が使えなくなる」などと電話があったということです。
すると、警視庁の警察官や検事を名乗る男から電話があり「詐欺グループがあなたの口座で大金を動かしている。捜査のために口座をすべて教えてください」などと言われたことから、女性は言われるがまま預金口座の情報を男に伝えてしまいました。
現金を「別の口座に分けてください」と指示も…
女性の自宅には、その後も警視庁の警察官を名乗る男から複数回電話があり、「口座残高が多すぎるものがあるので、別の口座に分けてください」などと言われ、女性は相手から指示された自分名義の口座に、指定された金額を振り込んだということです。
オレオレ詐欺の被害額6600万円は“今年最多額”
警察によりますと、女性は合わせて6600万円の被害に遭っていました。
これは今年1月以降、新潟県内で発生した『オレオレ詐欺』の被害額としては最も多い金額です。女性は7月下旬に現金を下ろそうとしたところ、預金残高がなくなっていたことから被害に気が付いたということです。
「警察官が電話で個人情報を聞き出すことはない」
今回の事件で犯罪グループは、被害に遭った女性に対して「詐欺グループがあなたの口座で大金を動かしている」などと、あたかも女性が“犯罪に加担している”ように離したうえで、「捜査のために口座をすべて教えてください」などと個人情報を聞き出す手口となっています。
また、女性にネット口座を開設するよう指示し、その口座にも現金を振り込むよう話していたということです。
警察は「警察官が電話で個人情報を聞き出すことはない」としているほか、「ネット口座を開設するように指示したり、確認のために警察が指定する口座に現金を振り込むよう要求することはない」と話しています。
不安に思ったら一人で抱え込まず家族や警察へ
また、警察によりますと、犯罪グループの中には「あなたには守秘義務があるので、他の人に話してはいけない」などと言い、家族や警察に相談しにくい状況を作り出しているものとみられます。
新潟県内の7月末時点の特殊詐欺被害は96件、被害額は去年の同じ時期よりも5500万円余り多い3億3511万円となっていて、オレオレ詐欺の被害額は去年よりも6000万円近く増えています。
警察は、不審な電話やメール、ショートメッセージには反応しない。もし相手と話していてお金や捜査などというの話になり不安な場合は、家族に相談するほか、最寄りの交番や警察署に相談してほしいと話しています。
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