伊那市の父親と大学生の娘が、長野県を相手に総額200万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
県が運営する児童相談所が2人の面会などを不当に禁止し精神的苦痛を受けたということですが、一体、何が起きているのでしょうか?


訴えを起こしたのは伊那市に住む団体職員の50歳の父親と、現在、東京の大学に通う20歳の娘です。

原告の娘:
「私は父親や母親と仲が悪いということではなかったので、すぐに帰れると思っていましたが、児相は一時保護を解除しない状態が続きました。その結果、高校3年生という進学のことを決める大切な時期に父親に相談することもできませんでした」

訴えによりますと娘は伊那北高校3年だった2022年の4月、両親と口論したことで「家に帰りたくない」と担任に相談。

担任は諏訪児童相談所に連絡し、娘は一時保護されました。

娘は伊那市内の児童養護施設で寝泊まりしながら高校に通い、自宅に戻りたい希望があったものの卒業まで父親と会うことが許されず、精神的苦痛を受けたとしています。

父親は何度も手紙を書いたものの娘には渡されず、どこの大学を受験し進学したかなど一切、知らされなかったということです。

父親:
「児童相談所というところは、世の中に虐待とかあるので、なくてはならない機関だと重々わかるが、誤認のような形で一時保護というのは親として拉致としか思えなかった」

娘:
「手紙とか電話したいと言ったら、許可下りるまで1か月くらいかかると言われ、できなかった」

代理人の弁護士は「正当な理由がないのに親子の交流を制限したのは法律上問題である」と主張しています。

児童相談所を運営する県のこども・家庭課は「訴状は確認している。裁判で意見を主張して争っていきたい」としています。

第一回の弁論は6日、地裁伊那支部で開かれます。

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