テレビ番組の「懸賞生活」企画で一躍有名になったタレントのなすびさんが石川県の観光大使に委嘱されました。
東日本大震災以降、ふるさと福島県で受けた「支援の恩返し」として各地の被災地をはじめ、元日に起きた能登半島地震の被災地でも災害ボランティアに参加しているなすびさんにタレント業のかたわら被災地に通う想いを伺いました。
待ち合わせ場所に現れた帽子をかぶった長身の男性。かつてバラエティ番組の「懸賞生活」で一躍人気となり現在はタレントとして活動するなすびさんです。
待ち合わせ中にも観光客からの写真撮影に笑顔で応じていたなすびさん。聞けば、この日まで2泊3日の日程で輪島市門前町での災害ボランティアに参加していたと話します。
なすびさん「基本的には被災された家からの家財道具を運び出して集積所に運んだり、避難所から仮設住宅への引っ越しのお手伝いをしてた。最初に来たのは3月。それこそ落ちた瓦を運んだり、倒れていたブロック塀をトラックで運べるように砕いて積む作業をした」福島県出身のなすびさんは、東日本大震災以降、熊本地震や西日本豪雨をはじめ、災害が発生するたびに現地でのボランティア活動に参加しています。
なすびさん「僕は福島県出身だから、東日本大震災の時には日本全国、世界からいろんな形でお世話になっていて、その恩返しをしたいなと。困った時にはお互い様で困っている人がいたら手を差し伸べる。なるべく行ける所にはいろんな被災地を巡っている」
今年も豪雨災害が起きた山形県で災害ボランティア活動に取り組んだほか、能登半島地震でも何度も現地を訪れています。
「本当に僕でいいのかな」
8月には元メジャーリーガーの松井秀喜さんらが務める県の観光大使に委嘱され、「観光大使が本当に僕でいいのかなと思ったが、通い続けることの責任感みたいなことが、自分の中にも芽生えるかなというか。やるからにはしっかり本当に続けて関わっていきたい」と話していました。
ボランティア活動中は声をかけられたり、写真撮影を求められたりすることも多い一方で、時にはボランティア活動について売名行為だと揶揄するような心無い言葉をかけられることも。
しかし、タレントだからできることがあると考えています。
なすびさん「基本的に、ボランティアへの登録も保険も本名でやっている。ボランティアに行って気づかれたいと思っていないから、マスクをつけてタオルを巻いて参加している。きょうも依頼された家では『なすびさんじゃないですか!来てくれてありがとうございます』と喜んでくれたり『記念になるので一緒に写真撮ってください』と言ってくださって。結局それで笑顔になったり元気になりましたと言っていただけると、いちボランティアとして活動することはもちろん、もしかしたらプラスアルファの、何か皆さんに笑顔だったり、元気とか勇気とかをお届けできる可能性はあるのかなと」
「ちゃんと肌で感じるために足を運ぶ」…変わる災害ボランティアのニーズ
能登半島地震の発生から時間が過ぎたことで報道が少なくなるなか、7か月が過ぎても「自分の肌で感じたい」と被災地でのボランティア活動を続けています。
なすびさん「自分で情報を取りに行かないと、今、能登がどういう状況なのか、なかなか見えづらい状況に確実になっている。それを僕は、ちゃんと肌で感じるために現地に足を運ぶ。街並みが大きく復興しているかというと、決してそうではない。仮設住宅に皆さん入居されてとか、生活基盤がある程度整ってきている部分はあると思うんですけども、大きく復旧から復興へと進んだというのを目で見て感じることはまだ難しい」
なすびさんは、復旧が進むにつれて家財道具の運び出しから仮設住宅への引っ越しの手伝いが増えるなど災害ボランティアのニーズも少しずつ変化していると話します。
さらに、東日本大震災をはじめどの被災地でも恐れているのが「忘れられること」と訴えます。
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