JR北海道だけでは、鉄道の維持が難しいとする8つの赤字区間の収入をどのように増やすのか。

JRは4日「沿線の自治体や住民の協力が不可欠」とした改善目標を発表しました。

JR石北線や宗谷線などの北海道内の8区間、いわゆる“黄色線区”は、地元の負担を前提に、鉄道の存続を目指す「赤字」区間です。

 JR北海道は2027年3月末までに、この“黄色線区”を存続させるための具体的な経営改善策を取りまとめるよう、国から監督命令を受けています。

 JR北海道 村林健吾取締役
「地域の皆さまと相談したとき、この数字を提示した。みんなでこの目標に向かって頑張っていこうと」

 国に“目に見える結果”を示さなければならないJR北海道。

4日、“黄色線区”8区間の改善目標を発表しました。掲げられたのは“徹底した利用の促進”と“コストの削減”です。

 増収対策として、釧網線と花咲線では、自転車を積み込めるサイクルトレインなどの観光列車を多く運行して、観光客やインバウンドの取り込みを強化。

 石北線や宗谷線では、特急列車の利便性を向上させるなどして、地元住民に公共交通機関をより多くの利用を促しながら、並行して、利用が少ない駅やダイヤ、本数の見直しでコスト削減を進めます。

 こうして、あと2年半の間に“黄色線区”の赤字を約100億円にまで減らしたい考えですが、これは新型コロナが拡大する前の、2017年度の数字から35億円を圧縮するにとどまります。

 JR北海道・村林健吾取締役
「正直、完全に黒字化することは不可能だと思っている。収支改善をどこまでやろうかという目標を、地域の皆さまと議論してこの数値になったとご理解いただければと思います」

 ただ、利用促進策に加え、目標を達成しても、まだ残る100億円の赤字を誰が負担するかは、これからの協議だとしたJR北海道。

“結果”はいつ見通せるのか、残された時間はそう長くはありません。

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