ロマンス詐欺で得た犯罪収益の一部を受け取ったとして東京に住む男が再逮捕されました。

組織犯罪処罰法違反の疑いで再逮捕されたのは、東京都新宿区の会社員で、中国籍の陳星(チン セイ)容疑者(27)です。

陳容疑者は今年3月、ロマンス詐欺でだまし取った現金500万円のうち、自分が管理する他人名義の預金口座に200万円を振り込ませた疑いが持たれています。

警察によりますと、陳容疑者は他の人物と共謀して、マッチングアプリで知り合った熊本県北部に住む60代の男性から、投資名目で現金をだまし取ったとして、8月14日に詐欺などの疑いで逮捕されていました。

男性は、このグループから総額およそ1億1000万円をだまし取られたとみられています。

警察は陳容疑者の認否について「組織犯罪のため捜査に支障がある」として、明らかにしていません。

なぜ被害者の男性はだまされてしまったのでしょうか?

事件の経緯を振り返ると、このグループは様々な場面で男性を信用させる巧みな仕掛けを施していました。(初出:2024年8月15日)

マッチングアプリで出会った「30代の女性」

警察などによりますと、被害を訴えた男性は今年2月~3月にかけて、マッチングアプリで、このグループがなりすましたとみられる実在しない「30代の女性」と知り合いました。

その後グループ側は、通信アプリの『LINE』で、男性に恋愛や結婚を意識させるようなメッセージを送っていました。しかし、両者は会ったことも、電話で話したこともなかったということです。

グループは自らを信用させるために、偽の免許証の写真を送るなどしていました。

やがて投資の勧誘へ…

その後、グループは「2人の将来のために」と言って投資の話を持ち掛けます。その際、投資用のアプリの利用を勧めたといいます。

男性は、そのアプリでオペレーターとチャットでやりとりをし、指定された口座に送金。その額は1か月の間に約20回、あわせて1億1000万円ほどだったということです。

その「投資用アプリ」 大丈夫?

アプリでは、投資した金が増えたり減ったりする様子も確認できたといいます。ただ、このアプリは投資の実態はなく詐欺グループが用意した「偽の投資用アプリ」だったとみられています。

警察は、全国でも同じ様な手口の犯行が増えているとして注意喚起をしています。

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